「DeepSeekを使ってますか?」
「はい。私はもともとコンピューター専攻で、人工知能(AI)を好んでいます」3月4日の第14期全国人民代表大会(全人代)第3回会議の会見後、大会の婁勤倹報道官は記者からの質問にこのように回答し、注目を浴びた。
今年の春節期間中、国産大規模言語モデル「DeepSeek」はその低コスト・高効率・スマートの応用体験により、人々に深い印象を残した。今年の全国両会(全国人民代表大会・中国人民政治協商会議全国委員会)においても、「国産大規模言語モデル」や「DeepSeek」は、代表・委員が何度も取り上げる言葉となった。
科大訊飛股份有限公司会長の劉慶峰代表は、「汎用大規模言語モデルの基礎の限界が持続的に打破され、応用シーンがボーナスの収穫期を迎えている。より低コストで、より低い計算力で、より効率的に導入を促す必要がある」と述べた。
360集団創業者の周鴻禕委員は、「大規模言語モデルは垂直分野で活用できる。中国の大規模言語モデルの発展は、産業及びシーンの強みを利用し、大規模言語モデルと業務フロー及び製品機能を結びつけ、マルチシーン応用を模索し垂直化・産業化導入を実現することを重要な方向とすべきだ」と述べた。
産業データは垂直大規模言語モデルの材料を育む。中国は産業の種類が豊富だが、産業データのタイプ及び構造が多様で、データの質が不揃いといった難題もある。多くの代表・委員は大規模言語モデルの産業応用の実現について、産業データの共有を促し、高品質データの収集及び利用を急ぎ、産業分野で「データフライホイール」効果を生むべきとした。これはつまりデータの持続的な蓄積と利用により、大規模言語モデルの性能の持続的な向上を駆動することだ。
中国電気装備集団有限公司科学技術イノベーション部長の張帆代表は、「多くの製造メーカーのDX化はスタートが遅れ、基礎が弱い。生産プロセスにおけるデータ収集が全面的でなく、タイミングも遅れている。同時にデータ安全リスクや商業利益の保護などの制限を受け、企業の間に高いデータの壁が存在し、データの共有のネックとなっている」と述べた。
張氏はこれに基づき、「工業分野の統一的なAIデータのフォーマット、スタイル、具体的な業界標準などの形成を急ぎ、企業間のデータ資産の取引の基礎をめぐる合意を促すべきだ。リーディングカンパニーはチェーン主としての力を発揮し、戦略的高価値シーンを見据え、需要けん引・フォーマット統一の高品質工業データセットを構築するべきだ」と提案した。
大規模言語モデルの産業導入におけるデータのネックをめぐり、各地はすでに行動を開始している。例えば北京市は発表した「北京市『AI+』促進行動計画(2024−25年)」の中で、北京データ基礎制度先行エリアを利用し、安全で信頼できるデータ空間を構築し、企業及び事業機関が高価値業界データを開放し集約するよう働きかけるとした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年3月10日
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