張春侠=文 楊振生=写真 中国では1956年から30年余り、質屋業は廃止されていた。1987年に正式復活後、経済発展の波にのって、質屋業は再び活気を取り戻している。特に金融危機以降、融資を受けられず困窮する個人事業者や中小企業の資金調達ルートにもなっている。 資金調達のルートへ 家庭用品の卸売り業者の王さんは、普段は主に大型のスーパーへ商品を卸している。ところが年末になって、業務上の支払いができなくなった。銀行やローン会社などへ融資を求めたが、条件には合わなかったり、手続きが煩雑すぎたりして、焦眉の急にはとても間に合わない。 偶然にもある友人が「質屋へ行ったらもしかしたら助かるかもしれない」と教えてくれた。やむを得ず彼は「一度試してみよう」と、北京市の「阜昌典当行」という質屋の暖簾をくぐった。 事情を聞いた質屋は、彼名義の40万元の自動車を抵当に、融資を決めた。すると一時間もしないうちに、彼は希望通りの20万元を受け取ることができ、資金問題は無事解決した。 | 「阜昌典当行」の店員が、顧客が持参した品物を入念に査定し値段をつける |
「質屋の融資がこれほど迅速だとは思わなかった。今回の商品は利潤が約20万元あり、質屋へ渡す費用はただの数千元に過ぎない。計算して見ると、本当に算盤に合う」 初めて質屋から金を借りた彼は、うれしそうに言った。 外国では、質屋業は近代金融業の元祖として、ずっと国民の「第二の銀行」と呼ばれてきた。しかし中国では、依然として、質屋通いは生活が切迫したときの最終手段という見方が大半だ。 「阜昌典当行有限責任公司」の双美玲総経理は、「現在の質屋は急場しのぎの機能を持っていますが、実はこうした質入れが占める割合は小さいのです。『阜昌典当行』は顧客の90%以上が中小企業で、質屋は近代的な融資手段の一つとなっています」と質屋業の現状を語る。 |