政治・安全>>新中国成立60周年>>
商売繁盛よみがえった質屋
発信時間: 2009-08-26 | チャイナネット

質屋が人々に人気があるのは、主にその速さと手続きの簡単さからである。銀行から融資を受けるには、通常25日間必要である。だが質屋なら、普通の品物を質入れすれば、十数分で現金を手にすることができる。自動車のような物品でも、一日で現金に換えられる。不動産は名義書換えが必要で、手続きも複雑なので、早くて2、3日、遅くとも半月ぐらいで現金が手に入る。これは資金の回転が急を要する中小企業にとっては、とても重要なことである。そういった意味で、質屋は「ファストフード銀行」とも呼ばれている。

これ以外にも、質入れしている期間をうまくコントロールすれば、貸付利率は銀行よりもかなり低い。

「改革・開放」後、北京でいち早くオープンした質屋「阜昌典当行」

2005年に商務部(省)と公安部が合同で公布した『質屋業管理規則』には、貴金属や家具、商品、証券といった動産を質入れした場合、月の利息が貸付金の4.2%を超えてはならず、不動産の場合は、月の利息が2.7%を超えてはならない、と定められている。質入れ期間を一カ月前後に抑えておきさえすれば、質屋の利息は銀行の貸付よりもかなり低くなる。期限内に返済が出来ない場合は質流れとなるが、3万元以上と見積もられた質入れの物品は、必ず公開で競売しなければならない。そして競売にかかった費用と質屋からの貸付の元金と利息を差し引いた残りの金額は、質入れした本人に戻すことになっている。

1956年から1987年の三十数年間、中国では質屋業務が禁止されていた。近年、金融機関の貸付縮小は中小企業への貸し渋りを引き起こし、その状況下で、質屋業は次第に活気を取り戻してきている。特に2008年の金融危機以降、多くの中小企業の資金繰りが切迫し、操業停止や倒産に追い込まれている。世界経済の衰退が生み出した銀行貸付のリスクは急速に拡大し、多くの銀行は次から次に貸し渋るようになった。こうして、質屋業は、中小企業にとって資金調達の最良の選択となった。

「北京典当行業協会」(質屋業協会)秘書長の郝鳳琴さんによると、1997年、北京にはたった4軒の質屋しかなかった。しかし昨年政府が質屋開店を承認したものだけでも94軒にのぼり、過去最高を記録した。また、33万以上の民間企業を抱える北京では、昨年1月から9月の間の質屋による企業への融資は90億元になり、前年同期と比べ71%の増加となった。2008年年末、北京の質屋は161軒を数える。

現在の質屋業の状況に対し、関係者は「当面の質屋市場は良好に見えるが、企業経営のリスクは明らかに増大している。質屋業はリスク意識をさらに高めて、厳格な規範にのっとって経営を行わなければならない」と指摘している。

<  1  2  3  4  >  


 
  関連記事