昨年いらい、国務院はチームを編成して医薬・医療・衛生体制改革の深化について検討を行い、すでに初歩的な改革案を制定するとともに、社会各方面の意見を求めている。改革の基本目標は、公共医療・衛生の公益性を堅持し、基本医療・衛生体制を確立し、大衆に安全かつ効果的な、利便性の高い安価な基本医療・衛生サービスを提供することである。誰もが基本医療・衛生サービスを享有でき、全人民の健康水準を向上させるように、われわれはこの改革を断固推進しなければならない。
人口と計画出産の仕事を強化する。現行の出産政策の安定化を図り、低出産レベルを維持し、出生人口の質を高め、出生性比が偏りすぎる問題に対して総合的に対策をとる。計画出産家庭への特別扶助制度を全面的に実施し、農村の計画出産家庭への奨励制度と「少なく生んで早く豊かになる」プロジェクトの実施範囲を拡大し、奨励と扶助の基準を引き上げる。流動人口を対象とした計画出産サービスと管理を強化する。
高齢者事業の発展を重視し、女性と未成年者の権益を着実に保障し、心身障害者事業に関心を寄せ、援助を与える。
就業の拡大に努める。就業促進法と労働契約法を真剣に貫き、実施する。積極的な就業政策を堅持し、創業による就業促進という方針を徹底させ、就業と創業のトレーニングを強化し、自力で就職活動をしたり自主的に事業を興したりすることを奨励し、小企業の創設を支援する。都市農村における統一、規範化した人的資源市場の整備を速め、公共就業サービス体系を完備させ、都市、農村の労働者が平等に就業できる制度の形成を促進する。大卒者の就職指導とサービスを強化する。退役・除隊軍人の再配置に関する制度の改革を深化する。就業援助制度を完備させ、心身障害者のための就業促進政策を徹底させ、ゼロ就業家庭の就業難の解決につながる長期的かつ効果的なメカニズムを確立する。各種の企業が従業員と法に基づいて労働契約を結び、それを履行するよう督促する。労働紛争の処理と労働保障への監察を強化し、さまざまな不法雇用行為を厳しく取り締まる。世界で人口の最も多い国の就業問題を解決するのは、極めて困難な任務である。われわれは百倍の努力をして、この民生の本にかかわる大事業にりっぱに取り組まなければならない。
都市農村の住民の収入増に力を入れる。それを達成するには、国民所得の分配構造を調整し、所得分配制度の改革を深化させ、国民所得の分配における住民所得のウェートを逐次高め、第一次分配における労働報酬のウェートを引き上げることがポイントである。一、多くのルートを通じて農民の収入を増加させ、農民就労者の賃金を期日通り全額支給するよう確保し、貧困脱却扶助基準を適切に引き上げる。二、企業の職員・労働者の賃金水準を引き上げ、その正常な引き上げと支給を保障するメカニズムを確立する。企業が賃金の集団協約制度を確立するよう促し、賃金変動規制枠を設け、最低賃金制度を健全なものにし、それを徹底させる。国有企業の賃金総額に対する管理方法を改革し、独占業種における企業の賃金の監督・管理を強化する。三、今年一月一日から、引き続き三年連続で企業の定年退職者の基本養老年金水準を再度引き上げる。四、公務員給与制度の改革を深め、公務員の手当・補助の規範化仕事に引き続き大いに力を入れる。事業体の所得分配制度の改革の進捗を速める。五、職員・労働者の有給休暇制度を実行に移す。それと同時に、消費に関する政策をさらに充実させ、サービス消費の分野を広げ、住民の消費に対する期待を安定させ、当期の消費を拡大する。経済成長の成果を合理的に大衆に分ち与えなければ、大衆から広範な擁護を得られず、社会の調和と安定を維持できない。
社会保障システムを完備化させる。「広くカバーし、基本生活を保障し、様々な層を対象とし、持続可能なものにする」という方針の実行を堅持する。一、社会保険のカバー範囲の拡大と基金徴収の仕事に力を入れる。農民就労者、非公有制経済組織の就業者及び都市部における非正規就業者の保険加入を重点的に拡大する。閉鎖・破産した企業の定年退職者や経営難に陥った企業の職員・労働者の基本医療保険加入問題の解決に努める。二、社会保険制度の改革を推し進める。社会統一プールと個人口座を結びつけた企業職員・労働者の基本養老保険制度を充実させ、養老保険個人口座の確実な積み立てテストを広げ、省クラスでの統一プールを速め、全国で統一した社会保険関係のポータビリティーに関する規定を制定する。企業の年金制度を規範にのっとって発展させる。事業体の基本養老保険制度の改革を模索する。農民就労者の特徴に適した養老保険規定の策定を急ぐ。各地で農村の養老保険テスト作業の展開を奨励する。失業、労災、出産保険制度の完備化を速める。三、様々な方法を講じて社会保障基金を充実させ、基金の監督・管理を強化し、基金の安全を確保し、その価値の保全と増大を図る。四、社会救助システムを健全なものにする。重点的に都市農村における住民最低生活保障制度の完備化を図り、経済成長や物価水準に応じた救済基準調整メカニズムを確立する。臨時救助制度を健全なものにする。それと同時に、社会福祉事業を積極的に発展させる。慈善事業の発展を奨励し、サポートする。優遇・扶助・再配置の仕事に力を入れる。防災・減災・災害対策への取り組みを強化する。社会保障体系の整備を速めるために、今年度、中央財政は二七六二億元計上し、昨年度より四五八億元増とする。都市農村をカバーする社会保障体系を構築し、それを完備させ、人民の生活において後顧の憂いが無いようにしなければならないことは、経済と社会の発展と直結し、小康社会の全面的な建設に向けての重要な任務である。
住宅保障体系の充実化を急ぐ。その総体的な指導原則は次のようなものである。①人口が多く、土地が少ないというわが国の基本的な国情を踏まえ、住宅の建設と消費において科学的かつ合理的なモデルを確立する。土地節約・省エネの環境保全型住宅を大いに発展させ、中小型住宅の供給を増加し、住民の適切な消費を導く。②政府と市場の役割を適正に果たすよう堅持し、政府の主な役割として住宅建設に関する企画と政策を制定し、土地の合理的な供給、集約的利用と管理を上手に行い、中低所得家庭向けの住宅を重点的に建設する。その一方で、高所得家庭の住宅需要については、主として市場の調節にゆだねるようにする。③不動産市場に対する規制と監督管理の強化を堅持し、市場秩序を規範化させ、それを維持し、不動産業の持続的で安定的かつ健全な発展を促進する。今年は次の四つの措置を講じなければならない。一、安価賃貸住宅制度を整備し、安価賃貸住宅の建設を速め、新規住宅を増加させ、エコノミー住宅の建設と管理を強化し、都市部低所得層の住宅難の問題を積極的に解決する。今年度、中央が安価賃貸住宅制度整備に振り向ける資金は六八億元となり、昨年度より一七億元増え、地方の各クラスの政府はいずれもこの面の資金投入を増加しなければならない。それと同時に、農民就労者の居住条件を積極的に改善する。二、中、低価格、中、小型一般分譲住宅の供給を増やし、多くのルートによる投融資メカニズムを構築し、様々な手段を通じて中所得家庭の住宅問題の解決を手助けする。都市の土地供給構造を合理的に調整し、中小型住宅の用地を増やす。三、租税、貸出、土地などの手段を総合的に運用し、住宅積立金制度を充実させ、実効性のある住宅供給を増やし、不合理なニーズを抑え、住宅価格の急騰を防止する。四、市場に対する監督・管理を強化し、不動産企業の市場への参入と退出条件を厳格にする。土地や新規住宅の放置と買い占め、土地や住宅の投機的取引などの行為を法律に基づいて取り調べ、処罰する。それと同時に、農村において住宅建設の企画と管理を強化し、農村の困窮層の抱える住宅安全問題を着実に解決する。われわれは住宅の改革と整備をゆるぐことなく推進して、人民大衆が安心して暮らし、生業に励むことができるようにしなければならない。