「とかく『秘密保持』を口実に情報公開と公民の知る権利を制限してはならない」。全国人民代表大会(全人代)常務委員会の分科会が国家秘密法改正の草案を審議した際、委員らは同法については情報公開との関係を適切に処理する必要があるとの考えを示した。ある委員は、首都空港高速道路の通行料徴収総額と資金の流れが秘密にされているのは合理的かどうか、と疑問を呈した。
朱永新委員は、草案では秘密保持と情報公開との関係を適切に処理しなければならないと述べた。公民の情報の自由な権利と公民の知る権利の角度から、国家の安全と社会の安定に影響を与えないことを前提に、基本的には公開できる情報は公開すべきであり、秘密法は公民の情報を知る権利の確保に役立つものであり、とくに秘密を把握した人を束縛するための内部規定でもある。
「現在、政府の関係機関はよく随意に『これは秘密、これは秘密』として、公民の知る権利を制限する状況がよく見られる。北京大学法学院の3人の教授は北京発展改革委員会と交通委員会に、首都空港高速道路通行料総額と資金の流れなどの状況を理解したいと申請したが、拒否された。『これは秘密』が、その理由だった。これは一体、秘密なのか、誰が言えば秘密になるのか」。朱委員は、これが国家秘密の内容がそれほど幅広い問題なのかどうかということに及ぶと指摘。例えば、第4項の「国民経済と社会発展における秘密事項」、第5項の「科学技術における秘密事項」など。
朱委員は「実際、経済社会の発展であれ、科学技術の発展であれ、大半は民生の問題にかかわるものだ。とかく『秘密保持法』を口実に情報公開と公民の知る権利を制限するのは、調和ある社会や法制社会、民主社会の建設にマイナスとなる」と指摘する。さらに、この面では多くの経験や教訓がある。過去の自然災害の状況や数字はいずれも秘密とされており、社会の支援と大衆の利益にかなりの程度影響を及ぼしていると話す。
「チャイナネット」 2010年3月2日 |