中国外交部の楊潔チ部長は6日、第11期全国人民代表大会第5回会議の記者会見で、中国の外交政策と対外関係について国内外の記者からの質問に答えた。
▽中国が今後10年間で発揮する役割
新華社記者:今後10年間で、世界はどのような重要な変化を迎えると思われるか?その中で中国はどのような役割を果たすのか?
楊潔チ外相:今後10年間は中国の平和的発展にとって極めて重要な10年となる。この10年の間に、我々は中国共産党の創立100周年(2021年)を迎え、全面的な小康社会建設という雄大な目標を達成する。ここで指摘すべきなのは、1つの国の総合的な経済力を判断するには、1つの指標ではなく、指標体系を使わなければならないということ、また1つの集計指標ではなく、複数の構造的指標を使わなければならないということだ。中国が発展途上国であるという基本的な属性は変わらない。中国が現代化を実現するにはまだ長い道のりが必要だ。
今後10年間は、世界的にも一連の変化傾向、構造的な変化が加速し、各方面が密接に相互交流し、変化の中で国を治める10年となるだろう。中でも注目すべきすう勢として、以下の4つが挙げられる。
(1)発展への勢いが一層力強いものとなる。各方面が経済発展モデル転換をより重視するようになり、経済グローバル化の中、世界の経済協力・競争に参加する上での新たなメリットを拡大しようと努力する。
(2)世界の多極化の流れがより明確となる。発展途上国の全体的な実力が強まり、世界のパワーバランスは比較的釣り合いが取れた方向に向かって発展する。
(3)国際体系変革をめぐる競争と協力が深化する。各方面が国際ルールと秩序の調整・変化をより強く求めるようになる。現行の国際体系の変革が引き続き着実に進められる。
(4)国際的・地域的に関心を集める問題と、世界的な問題がいっそう突出する。一部の問題は引き続き深刻化する。気候変動、エネルギー・資源、食糧安全などの問題は相次ぎ、テロリズムなどの世界的な問題も依然として存在しつづける。各国が互いに依存し合い、利益の融合も高まる。互いに助け合い、困難な局面を共に乗り越えるという理念が、人々の心に深く浸透する。
各要素を総括するに、今後10年間、中国の外部環境は有利な要素と不利な要素が交じり合う状態となるだろう。1つの問題は2つの側面をもっており、チャンスと試練は共存し、しかも互いに転化しうる。全体的に見て、わが国にとってのチャンスは試練よりも大きい。中国は依然として発展に向けた重要な戦略的チャンスの時期にある。
中国は今後も独立自主の平和外交政策を堅持し、平和的な発展の道を堅持し、互恵・ウィンウィンの開放戦略を堅持し、恒久平和・共同繁栄の調和の取れた世界を各国と共に作り上げることを堅持する。我々は協力・ウィンウィンを主張する。つまり自国の利益を求めると同時に、他国の利益を考慮し、互いに配慮し、権限と責任を共同で負担し、利益を融合させるというものだ。共に努力し、国際秩序がより公正で合理的な方向に発展するよう推進し、一層すばらしい世界を建設しなければならない。
「人民網日本語版」2012年3月7日