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大学生と共に釣魚台国賓館を訪れ、6カ国協議について説明する秦剛氏 |
「五四青年節」を前にした3日、中国外交部の見学が大学生を対象に開放された。今回は外交部だけでなく、重大な外交事件を多く目撃してきた釣魚台国賓館にも足を踏み入れることができる。中国新聞社が伝えた。
同日昼には、外交部の見学を終えた170人余りの大学生が車で釣魚台に到着し、外交部の秦剛副報道局長と共に、芳菲苑、養源齋などを見て回った。
6カ国協議のメイン会場である芳菲苑では、重要な会議をいくつも経験してきた秦剛氏が「バラのランプ」「武大偉首席代表の扇子」など、6カ国協議の舞台裏で起きた「エピソード」を語った。
「またここに来て、親しみと同時に緊張感も覚えます」。秦剛氏の率直な前口上に、納得の笑い声が上がった。秦剛氏は親しみを覚える理由として、05年から08年までの各回の6カ国協議に出席したため、芳菲苑の情景が非常に馴染み深いことを挙げた。緊張感の理由は、6カ国協議が困難なプロセスであることは確かだからだと言う。
そしてこの困難なプロセスを推し進めるため、中国は多くの努力を払ってきたのだ。
政治的な努力の面では05年8月、中国側首席代表の武大偉外交副部長が「千里書を来すは只だ牆の爲、他に三尺を讓るも又何の妨げ。萬里長城今猶ほ在るも、見えず當年の秦始皇。」との古詩を巧みにひき、互いに譲ろうとしない各国を諭した。記念のため、この詩を扇子に書くよう武大偉副部長に請う出席者もいた。
裏方の細かな作業にも、中国側の周到な用意が反映された。中国は同時通訳方式をクリエイティブに運用した。テーブル上に置かれた6つの「バラのランプ」は各言語を示している。発言は他の言語にも同時通訳されるが、ランプが消えるのが通訳完了を示し、これを合図に発言を続けることができるのだ。これによって、最短時間で発言を理解し、突っ込んだ討議を行うことが可能となった。
6カ国協議の現在の挫折について、秦剛氏は「6カ国協議がもう開かれないことを意味するものでは決してない。会談再開に最も重要なのは、各国が相互信頼を強化することだ。相互信頼の強さに見合うだけ、進展は得られる」と述べた。
緊張を引き起こす苦しい記憶はあるが、秦剛氏は最後には「6カ国協議はいつかまたここに戻って来て、再び開催されるものと信じています」と述べた。
「人民網日本語版」2009年5月4日