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論評:発展途上大国の協力強化が持つ深遠な意義
発信時間: 2009-07-09 | チャイナネット

中国、ブラジル、メキシコ、インド、南アフリカの発展途上の5つの大国の首脳が8日午後、イタリアの地震被災地ラクイラで全体会合を開いた。中国からは戴秉国国務委員が胡錦涛主席の代理で出席した。その開催は、互いの協力を強化して、世界で一層大きな役割を発揮しようとする、5つの発展途上大国の決意を再び示すものである。発展途上大国の協力強化は世界の政治・経済情勢の発展における必然であり、堅固な基礎を備えると同時に、非常に重要な意義を持つ。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。

多極化とグローバル化の不断の発展に伴い、様々な世界的難題は、国際社会各方面の協力による解決が必要となっている。これには当然、発展途上国、とりわけ発展途上大国間の協力が含まれる。5つの発展途上大国は、世界経済における比重も、国際的な影響力も高め続けている。その協力強化は、国際情勢の発展に、必ず積極的な役割を果たすだろう。今や、拡大を続ける世界金融危機への対応、人類の生存と発展に関わる気候変動問題の解決、保護貿易主義への反対とドーハ・ラウンドの推進のいずれもが、発展途上大国の協力強化を必要としている。

金融危機は先進国に端を発したが、より被害が大きかったのは無数の発展途上国だ。先進国と比べ、発展途上国は経済基盤や自己回復能力が弱いためだ。このようになった根源は、長年にわたり先進国が国際金融・経済秩序を主導し、発展途上国の発言力は弱かったことにある。不合理な国際金融・経済秩序の改革は、すでに国際社会共通の声となっている。発展途上国がこの改革プロセスで役割を発揮するには、協調を強化し、1つのパワーを形成することが必須だ。この点において、発展途上大国の協力はとりわけ重要だ。

今年は人類の気候変動対策にとって正念場の年だ。だが一部の先進国は京都議定書の定める第一約束期間の温室効果ガス排出削減目標を達成せず、第一約束期間終了後の2013年以降の排出削減について十分な約束をすることを拒否するばかりか、発展途上国を様々な等級に分け、いくつかの発展途上大国に排出削減ノルマを無理に押しつけ、発展途上国間の分裂を図っている。こうしたやり方は、明らかに発展途上国の利益を損なっている。こうした情況下では、発展途上大国は協力を強化することによってのみ、原則を堅持し、気候変動対策の努力を正しい方向へと前進させることが可能となるのだ。

ドーハ・ラウンドの早期妥結は、国際貿易の発展促進にとって重大な意義を持つ。だが、農業分野の特殊な保障制度、綿花補助金、および非農業分野の減免などの問題において一部先進国の要求が高すぎるため、ドーハ・ラウンドは現在に至るまで引き延ばされ、発展途上国の発展にマイナスの影響をもたらしている。こうした情況下では、発展途上大国は協力を強化することによってのみ、発展途上国全体の利益を守り、ドーハ・ラウンドに転機を与えることが可能となるのだ。

このほか、食糧安全保障、エネルギー安全保障、公衆衛生・安全、自然災害といった非従来型の安全保障上の脅威においても、発展途上大国の協力には広大な余地がある。

「人民網日本語版」2009年7月9日

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