中国共産党中央統一戦線部の朱維郡副部長は2日、北京での記者会見で、ダライ・ラマ14世の個人代表のロディ・ギャリ氏と会談した主な内容を公表した。
中央の責任者と会談した際、ギャリ氏は「覚書に関する説明」を提出した。これについて、朱維郡副部長は「2008年11月での話し合いでは、ギャリ氏は『チベット人が真の自由を獲得するための覚書』を提出した。しかし、内容は故意に分かりにくい言葉を使用していた。また、中国の憲法や民族地区自治法で使われている単語を使い、『大チベット区』や『高度な自治』を正当化しようとしていた。その本質は「半独立」または独立を図ろうとしているものだ。これに対して、我々は厳しく反論した」と紹介した。
朱副部長の話によると、一行は今回「覚書」を提出するとともに、「修正はしない、いかなる譲歩もしない」と強調し、「チベット亡命政府がチベットの人々の利益を代表し、ダライ・ラマ14世がチベットの合法的な代表であることはいかなる時でも疑われるものではない」と引き続き主張した。さらに、「チベット問題、600万のチベット住民の福祉問題について話し合いたい」と求めた。これに対して、中央の代表らは「チベット住民の代表は、中国共産党中央政府と共産党指導のもとにあるチベット自治区政府だ。ギャリ氏一行は、我々とチベット自治区について議論する法的な身分はなく、ただのダライ・ラマ14世の個人代表に過ぎない。議論するなら、ダライ・ラマ14世の個人のこと、また周りの人の前途の問題のみだ。その内容は、いかにして祖国分裂の行動を放棄し中央に信頼され、全国民の了承を得るかの問題だ」と述べた。
ダライ・ラマ14世の個人代表を務めるギャリ氏ら一行5人が1月26日から31日にかけて帰国した。この間、中国共産党中央統一戦線部の杜青林部長と会談したり、中部にある湖南省を見学したりした。
「中国国際放送局 日本語部」より 2010年2月3日 |