上海協力機構は2001年の成立から9年目を迎えた。9年間の発展の過程は、上海協力機構の提唱する「相互信頼、互恵、平等、協力」を柱とする新安全保障観と共同発展理念が、今や根を下ろし、花を開き、実を結び、かつ日増しに深遠な影響をもたらしていることを示している。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
上海協力機構の加盟国である中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンは過去9年間、各分野で政治的相互信頼と実務協力を不断に強化・深化し、地域の安定維持と発展促進に多大な貢献を果たしてきた。
その前身である「上海ファイブ」の発展の軌跡から、加盟国の協力がまず国境地帯の安全保障分野から始まっており、当初の目的が地域の安定維持であったことが容易に見てとれる。「国境地帯での軍事的信頼の強化に関する協定」「国境地帯の相互軍事力削減に関する協定」によって、加盟国間の相互信頼と安全保障協力は強化された。これを背景に、中国はロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタンとの間で、歴史的に残された国境問題を相次いで徹底的に解決し、数千キロの国境線を善隣友好協力の紐帯とした。
地域・国際情勢の変化に伴い、上海協力機構は安全保障協力を日増しに深めていった。テロリズム、分離独立主義、宗教過激主義の「3つの勢力」を共同で叩くことが徐々に安全保障協力の核心となっていった。2001年6月15日の上海協力機構成立当日、加盟国は「テロリズム、分離主義、宗教過激主義の取り締まりに関する上海条約」に署名した。2004年には、タシケントで上海協力機構「地域対テロ機構」の成立が宣言され、対テロ情報交流・人材育成などの具体的協力が実行に移された。加盟国の多くが参加する対テロ合同演習の定例化は、テロリストを大いに震え上がらせた。上海協力機構の対テロ協力は深く進行し、目覚ましい成果を上げていると言えよう。
安全保障協力によって地域全体の安定が確保され、各国の共同発展に良好な外的条件がもたらされた。上海協力機構の国土面積はユーラシア大陸の5分の3を占め、人口は世界の4分の1を占める。加盟国間の経済的補完性は高く、資源は豊富で、市場は巨大で、科学技術と人材に厚みがあり、協力には大きな潜在力がある。経済協力の強化と拡大、加盟国と地域の経済発展の促進は、上海協力機構の多国間協力において常に重要な位置を占めている。
上海協力機構はすでに「協力、ウィンウィン」のパートナーシップ体制を加盟国間に築き、多国間協力によって2国間協力を促進し、2国間協力によって多国間協力を打ち固める協力モデルを構築している。中ロ戦略的協力パートナーシップ、中国・カザフスタン戦略的パートナーシップ、中国・ウズベキスタン友好協力パートナーシップなどが多国間協力の礎石となっているのだ。世界金融危機に直面した際、加盟国は決意を固め、落ち着いて対処し、共同対策を通じて域内経済協力の深化に努め、域内経済の段階的回復を促した。
上海協力機構の経済貿易協力は、加盟国国民にすでに確かな利益をもたらしているし、今後も幸福をもたらし続けるだろう。現在世界ではすでに、平和を求め、発展を図り、協力を促進することが時代の潮流となっている。新たな情勢の下、国際社会と加盟国は上海協力機構にさらに大きな期待を寄せている。上海協力機構は重任を負っているのだ。
「人民網日本語版」2010年6月11日