中日甲午戦争の教訓
――強大な海軍依存だけで領海権強国になれない

中日甲午戦争の教訓
――強大な海軍依存だけで領海権強国になれない。 強大な海軍を領海権とイコールとして描き、強大な海軍を有していれば領海権の強国になれるとの考えが、中国社会ではある程度の民意の基礎となっている。だが、冷静に考えれば、強大な海軍が決して領海権のすべてでないことが分かる。世界の領海権をめぐる興隆と衰退の歴史が物語るように、海軍という重要な要素のほか、ファンダメンタルズ(とくに資本拡大能力)、技術刷新、制度刷新、戦略的計画、海洋概念など、いずれも領海権の背後になくてはならない支援的要素となる…

タグ: 領海権 海軍 日清戦争 空母 資本拡大 技術

発信時間: 2010-06-21 11:46:02 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

文=上海外国語大学中東研究所副所長・劉中民

資料写真:軍事演習を行う中国海軍

強大な海軍を領海権とイコール(=)として描き、強大な海軍を有していれば領海権の強国になれるとの考えが、中国社会ではある程度の民意の基礎となっている。中国民衆の航空母艦問題に関する立場は鮮明かつ具体的であり、多くの企業家と民衆が空母建造のために寄付は惜しまないとしているが、これは敬服するに値する愛国主義精神である。

だが、冷静に考えれば、強大な海軍が決して領海権のすべてでないことが分かる。世界の領海権をめぐる興隆と衰退の歴史が物語るように、海軍という重要な要素のほか、ファンダメンタルズ(とくに資本拡大能力)、技術刷新、制度刷新、戦略的計画、海洋概念など、いずれも領海権の背後になくてはならない支援的要素となる。

西側の領海権発展の歴史の過程を考察すれば、ポルトガルやスペインが衰退した根源が、資本の原始的な略奪が国内生産に転換されず、さらにオランダという新興商業資本と競争できなかったことにあり、一方、オランダという海上覇権が英国に取って代わった根源が、その商業資本が英国の工業資本のライバルでなかったことにあったことが容易に分かる。米国が英国に取って代わったのも同様、その資本拡大という優位性にあったのである。

世界史はさらに、技術と制度の刷新能力、産業主導能力も領海権の盛衰を決定する重要かつ支援的な要素であることを示している。歴史的に、海上覇権国はそれぞれ各時代の技術革新と産業刷新を主導しており、世界で海軍が最強の国であるだけでなく、世界経済の先端産業を主導する国でもあった。一つの領海権国が世界の覇権になるには、かなり強大な海軍が必要であるのみならず、世界の科学技術を刷新する国であり、また世界経済の先端産業を主導しなければならない。

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