世界の兵器市場で中国が軽視できない競争相手となっており、中国が開発したFC-1(中国語名、梟竜)戦闘機がロシアの戦闘機輸出の脅威となっている事実を、ロシアの航空業界は認めざるを得なくなっている。そのため、ロシアは2大戦闘機メーカーMiGとSukhoiの社長を兼任するMikhail Pogosyan氏の反対を押し切って、RD-93ジェット型航空エンジンを中国に輸出する新協定の凍結に踏み切った。Pogosyan氏は「FC-1戦闘機はMiG-29戦闘機の直接の競争相手」との認識を示している。環球時報が5日付けのロシアの経済新聞紙「コメルサント」の報道として伝えた。
報道によると、モスクワ機械製造企業は2005年にRD-93エンジン100基を2億3800万ドルで中国に輸出する契約を結んだ企業。当時、同エンジン500台を中国に提供する枠組み協定も結んでいた。ロシア軍需企業の情報筋は「FC-1とMiG-29はエジプト市場で競合している。FC-1は性能面ではMiG29に及ばないが、価格面では1千万ドルのMiG-29に対して3500万ドルと優位性がある」と話す。同情報筋によると、ロシアは現在、戦闘機の大量契約を取り付けるべくエジプトと交渉を行っている。今年4月、ロシア国防輸出会社空軍局長Alexander Mikheyev氏がエジプトを訪問し、戦闘機32機契約の可能性を検討した。一方、エジプトはFC-1戦闘機のメーカーとも交渉を始めている。週刊誌「簡氏防務週刊」によると、エジプト政府は今年3月から、中国の戦闘機の共同生産に向けてパキスタンと交渉を始めている。同誌が得た資料によると、エジプトは同戦闘機を空軍に調達する意向もあるという。
「人民網日本語版」2010年7月8日