バーンズ米国務次官は7日、駐米ロシア大使と首都ワシントンで会談し、ロシアのスパイ事件について話し合った。詳細は明らかにされていない。
米ロ両国を悩ませた「スパイ騒動」に8日午後、大きな進展があった。「捕虜交換」方式での手打ちに入ったのだ。これに先立ち、米国のスパイとして働いたロシアの核技術専門家が釈放され、ウィーンを経てロンドンに到着した。米側に逮捕されたロシア人10人は公判で罪状を認めた後、国外退去処分にされた。
ロシア側が釈放した米国のスパイはイーゴリ氏。1999年に、ロシアの原子力潜水艦とミサイルに関する情報を英企業に渡したとして逮捕された。ロシア側は、同企業は米中央情報局(CIA)の隠れみのだと指摘している。イーゴリ氏は2004年に禁固14年の判決を受けた。イーゴリ氏は、自分の提供した情報はすべてネット上で公開されていたものだと訴えていた。イーゴリ氏のほかに、ロシア情報当局元将校ら3人も交換リストに入っている。
米検察官の起訴状では、ロシア人10人の罪名は正式な「スパイ」行為ではなく、外国政府機関員としての身分を米政府に事前告知せず、かつモスクワの情報機関から少額の活動資金を受けていたことに過ぎない。
公判でロシア人10人はロシアのための秘密活動に従事していたことを認めたのみで、その具体的内容については証言を拒否した。だが、本名は全員明かした。10人はチャーター機で速やかにモスクワに戻ることになるという。
「人民網日本語版」2010年7月9日