中国の李保東国連大使は国連創立65周年に際して新華社の書面取材に応じ、国連が抱えている試練、国連改革に関する共通認識と溝などについて説明した。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
国連が抱えている試練について、李大使は「世界の平和と発展という2つの大問題が根本的に解決されていない。局地戦争や衝突が時折発生し、地域の重大な問題は複雑に錯綜し、南北格差はさらに拡大している。人々の基本的な生活、さらには生命の安全までもが保障されていない国が多くある。一部地域では国際テロ勢力、民族分裂勢力、宗教過激派の活動がまだ相当活発だ。気候変動、金融危機、麻薬密輸、国際犯罪、深刻な感染症など、国境を越えた問題が日増しに先鋭化している」と述べた。
李大使は「現在国際情勢には深く複雑な変化が生じている。普遍性、代表性、権威性を最も備えた政府間組織である国連自体も、多くの厳しい試練に直面している。例えば、いかにしてリソースを有効活用し、国連の作業効率、および各種の新たな脅威や試練への対処能力を高めるか。いかにして発展途上国の声を具現化し、発展途上国の利益を尊重し、守るか。いかにして国連の活動に対する監督や問責を強化するかなどだ」と指摘した。
■安保理改革:各国間に依然大きな溝
安保理改革について李大使は「国連改革の重要な一部であり、国際システムの変革における最も複雑で敏感な問題の1つでもある。現在、ある国は常任・非常任理事国の拡大をなお主張し、ある国は非常任理事国のみの拡大を主張している。折衷案として、任期が長く、再選可能な議席の拡大を提案している国もある。このほか安保理改革には規模、拒否権、地域の代表性、作業方法、国連総会との関係といった、関連し合う一連の問題もある」と述べた。
李大使は「安保理改革の政府間交渉は09年初めに始まり、現在も続いている。各国間には依然大きな溝があり、加盟国の広範な支持を得られる改革案は得られていない」と述べた。
「人民網日本語版」2010年10月26日