李保東国連大使「国連は多くの試練に直面」

李保東国連大使「国連は多くの試練に直面」。

タグ: 李保東 国連

発信時間: 2010-10-26 15:57:28 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 

 中国の李保東国連大使は国連創立65周年に際して新華社の書面取材に応じ、国連が抱えている試練、国連改革に関する共通認識と溝などについて説明した。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。

 国連が抱えている試練について、李大使は「世界の平和と発展という2つの大問題が根本的に解決されていない。局地戦争や衝突が時折発生し、地域の重大な問題は複雑に錯綜し、南北格差はさらに拡大している。人々の基本的な生活、さらには生命の安全までもが保障されていない国が多くある。一部地域では国際テロ勢力、民族分裂勢力、宗教過激派の活動がまだ相当活発だ。気候変動、金融危機、麻薬密輸、国際犯罪、深刻な感染症など、国境を越えた問題が日増しに先鋭化している」と述べた。

 李大使は「現在国際情勢には深く複雑な変化が生じている。普遍性、代表性、権威性を最も備えた政府間組織である国連自体も、多くの厳しい試練に直面している。例えば、いかにしてリソースを有効活用し、国連の作業効率、および各種の新たな脅威や試練への対処能力を高めるか。いかにして発展途上国の声を具現化し、発展途上国の利益を尊重し、守るか。いかにして国連の活動に対する監督や問責を強化するかなどだ」と指摘した。

■国連改革:国際社会の期待とはまだ開き

 国連改革問題には長い歴史があり、注目され続けている。李大使は「国連創立当初から、国連憲章のいくつかの条項について加盟国間で意見が分れており、改革を求める声は絶えない。潘基文・現事務総長の就任後、事務局管理改革が国連改革の重点となった。これには事務局の問責性、透明性、内部監督、機構調整の強化などが含まれる。潘事務総長の推進の下、国連事務局はすでに平和維持活動局、政治局内部の改革を完了した。国連は2010年末までに、平和構築委員会と人権理事会に対する活動評価と地位の見直しを行う」と指摘した。

 李大使は「全般的に見て、国連改革はすでに成果を上げているが、国際社会の期待との間にはまだ開きがある。数多くの発展途上国はミレニアム開発目標の期限内の達成、開発問題の解決の面で国連が取り組みを強化することを望んでいる。一方先進国は、政治・安全保障分野の改革をより重視している」と述べた。

 ■安保理改革:各国間に依然大きな溝

 安保理改革について李大使は「国連改革の重要な一部であり、国際システムの変革における最も複雑で敏感な問題の1つでもある。現在、ある国は常任・非常任理事国の拡大をなお主張し、ある国は非常任理事国のみの拡大を主張している。折衷案として、任期が長く、再選可能な議席の拡大を提案している国もある。このほか安保理改革には規模、拒否権、地域の代表性、作業方法、国連総会との関係といった、関連し合う一連の問題もある」と述べた。

 李大使は「安保理改革の政府間交渉は09年初めに始まり、現在も続いている。各国間には依然大きな溝があり、加盟国の広範な支持を得られる改革案は得られていない」と述べた。

 「人民網日本語版」2010年10月26日

「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで

コメント

コメント数:0最新コメント

コメントはまだありません。