日本政府は、在日米軍が福島原発事故を前にして、放射性物質を避けるために一歩一歩退避していることに不満を抱いている。一カ月前まで「米国の保護なしに日本の安全はない」と声高に叫んでいた日本の政治家達は、「危難の時は自らに頼るしかない」という道理をようやく理解した。「中国新聞網」が伝えた。
日本に駐留する米第7艦隊唯一の空母ジョージ・ワシントンは21日、神奈川県横須賀市の軍港から外海へひっそりと出航した。米軍基地関係者は、福島原発の放射性物質を避けるためとしている。
大地震の当夜、米軍は日本海で米韓合同軍事演習に参加している空母ロナルド・レーガンを直ちに被災地に派遣すると声高に発表した。「やっぱり同盟国は違う」----。報道によると、多くの日本人はその時こう感じたという。だが同空母は被害の深刻な福島県沖に到着したものの、いわゆる救援活動を行う前に同海域をひっそりと離れ、その後どこへ行ったのか現在も不明だ。福島第1原発の事故の情報を聞いたのが撤退の理由だった。
報道によると同空母は元々、自衛隊の救援輸送ヘリの海上基地として被災地への物資輸送と被災者の救出を支援する計画だった。だがこの「基地」が遁走してしまったため、自衛隊は地震発生後の何日か津波被災地に最も近い離着陸地を見つけられず、救出活動は少なからず遅れた。
それだけではない。救援活動への参加を表明していた長崎県佐世保基地の米軍の護衛艦と輸送艦計3隻は、途中で原発事故の情報を聞くと、すぐさま回れ右して引き返してしまった。
米国防総省はその後、放射性物質を避けるため同原発から半径90キロ以内への米兵の立ち入りを禁止すると発表した。だが日本政府は一貫して、米国の放射線事故専門部隊の受け入れを承諾していない。
報道によると日本防衛省のある高官は「同部隊が日本に来る最大の目的は、福島第1原発でさらに深刻な事故が発生した際に、首都圏内に駐留する米軍基地や大使館の人員を緊急避難させることであり、自衛隊と共に戦うことはありえない」としている。
「人民網日本語版」2011年3月23日