中国国家海洋局は31日、同局が派遣した海洋環境放射能観測チームの観測結果として、福島以東および南東方向の西太平洋海域が原発放射能漏れ事故による顕著な影響を受けていると発表した。
福島原発放射能漏れ事故による西太平洋および中国の海域への影響を調査するため、中国国家海洋局は6月16日から7月4日まで特別海洋環境放射能観測チームを派遣した。観測チームは福建省アモイを出発し、福島以東の西太平洋海域の海洋環境放射能観測活動を行った。福島原発から放出された主要放射性物質のセシウム137、ストロンチウム90などによる海洋環境への影響について、海洋の大気、海水、海洋生物を調べた。観測チームは18日間の航海で、4735カイリを航行し、観測海域面積は25・2平方キロに達し、大量の海洋大気、海水、生物サンプルを採集した。
国家海洋局によると、観測チームはこれまでに一部サンプルの分析、検査を終えた。その結果、観測した海域の大気中の放射線量に異常はなかった。海水のサンプルすべてからセシウム137、ストロンチウム90および通常の状況では海水から検出されることのないセシウム134が検出された。これらは福島原発から漏れ出した汚染物質で、そのうちセシウム137とストロンチウム90は最高含有量が中国海域のバックグラウンド範囲のそれぞれ300倍と10倍だった。
国家海洋局は今後も西太平洋海域環境観測評価の結果を発表するとしている。
(新華網日本語=中国通信社)2011年8月1日