戦争と言えば、南中国海での開戦を最も恐れているのは誰かをまず考えてみるといい。南中国海には現在1000以上の石油・ガス井があるが、中国のものは1つもない。南沙諸島には4つの飛行場があるが、中国大陸のものは1つもない。中国は他の重要な経済施設も持っていない。戦争が起きれば、勝敗はさておき、南中国海は間違いなく一面火の海となり、そびえ立つ掘削基地はごうごうと燃え盛るたいまつとなる。最も痛手を負うのは誰か?戦争が起きれば、欧米の石油・天然ガス会社は必然的に撤退する。最も損失をこうむるのは誰か?
中国にしてみれば、南中国海は最良の戦場だ。南中国海での武力行使においては、攻撃範囲を限定すべきだ。現在最もひどく騒いでいるフィリピンとベトナムに狙いを定める。つまり鶏を見せしめに殺して猿を戒めるのだ。戦争の規模は懲戒の目的達成を基準とする。イラク、アフガニスタン、リビアでの米国のやり方を真似る必要はない。これは必ず勝つ戦争だ。芸術的に戦い、諸葛亮が南夷の酋長を7回捕えて7回放った時のように、計略によって相手を心服させる道徳的教化の行為となる可能性が高い。
中国の多くの学者は、南中国海問題で中国が思い切った行動に出られない理由として米国の存在を挙げる。だが米国は現在も対テロ戦争から抜け出せず、中東問題も膠着しており、中国の南中国海で第2の戦争を起こす力は全くない。米国の強硬姿勢はいずれも虚勢だ。
フィリピンは自らを蚊にたとえた上で、中国というゾウを恐れはしないと述べ、悲憤に立ち上がった軍隊として世界の同情を買おうとした。ゾウは確かに蚊を踏みつけるべきでないが、蚊はゾウを刺すべきなのだろうか?ましてやこの「蚊」は「ワシ」に応援を頼んでいるのだ。一部の国による中国の領有権の侵犯、各国による立て続けの大規模な軍事演習は、折良く断固たる反撃の理由を中国に与えた。
理にかない、有利で、節度を持つことは、依然としてわれわれが堅守しなければならない原則だ。中国は大規模戦争の決意と小規模戦争の実際の準備をもって、戦争と平和の選択権を相手に与えることで、自国の新たなイメージを樹立すべきだ。2008年にロシアが果断に武力行使し、カスピ海情勢を速やかに安定させた経験は、大国の行動は国際社会に一定期間衝撃を与えるが、長期的には地域の安定と大国の戦略的和解を根本から実現し、世界平和にとって幸いであることを明確に示している。
「人民網日本語版」2011年9月29日