日本のTPP交渉参加は形式的なもの

日本のTPP交渉参加は形式的なもの。

タグ: TPP,日本,米国

発信時間: 2011-11-14 16:40:19 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

クリントン米国務長官は10日ハワイで講演し、すでに「世界の戦略と経済の重心」となっているアジア太平洋に「環太平洋システム」を構築する必要性を指摘した。諸外国は米国はすでに新たな「アジア太平洋ルール」の制定に着手したと解釈している。その最も注目される一歩が12日に開幕したAPEC会議で打ち出された「環太平洋経済連携協定(TPP)」交渉だ。人民日報傘下の国際情報紙・環球時報が12日付で伝えた。

AFP通信によるとクリントン長官は10日の講演で「アジア太平洋地域は『要所』に位置し、すでに『世界の戦略と経済の重心』になっている。『より活力のある、より持続可能な環太平洋システム』を構築すべき時が来た。こうした秩序によって安全、繁栄、普遍的価値が促進される」と表明。オーストラリア、ベトナムなど8カ国と交渉するTPPについても「経済問題にとどまらず、開放・自由・公平といった価値観の協定でもある」との解釈を示した。AFP通信は「米国は太平洋地域の首脳を歓迎すると同時に、急成長するアジアにおけるルールの制定を図っている」と指摘している。

米国が全力で推し進めるTPPについて、諸外国の見解は様々だ。日本の野田首相が11日夜にTPP交渉への参加を発表すると、米シンクタンク・外交問題評議会(CFR)は「ルース駐日米大使が言ったように、日本がTPPに加わるのなら、枠組みの変わる重大な出来事になる」との論説をウェブサイトに掲載した。

だがTPPを有望視しない分析の方が目立つ。仏紙ウエスト・フランスは「オバマ大統領は残り任期わずか1年だが、経済の多元化は実現しておらず、アジア太平洋経済政策もはっきりしない。TPP構想は政治的動きは大きいが、推進は困難だ。『価値観』を過度に強調すれば、ますます思惑どおりにいかなくなるだろう。各国とも米国に安全保障上の保護を求める一方で、自国の経済利益を確保するため、中国を怒らせたくはないからだ」としている。仏誌レクスプレスは「アジア太平洋各国は自らの国益があり、米国のお先棒をかついだり楯になることは望んでいない。中国の国力が増すにつれて、各国は警戒すると同時に、ますます中国経済と共に栄える機会を手放せなくなっている」としている。

AFP通信も「TPP内部でも溝は大きい。共産主義国ベトナムが含まれているほか、詳細も曖昧な点を批判する声もある。日米の農家も反対している」と強調する。アメリカ進歩センターのウェブサイトは「米国の行動は中国封じ込め戦略の一部ではない。それは不可能だ。アジアのどの国も反中国同盟には加盟しない。反対に各国とも中国との関係強化を望んでいる」とする論文を掲載している。

「米国の度重なる活動は、すでに戦略的重心のシフトを完了し、アジア太平洋に危険な主導権の再構築を図っていることを物語っている。だがアジア太平洋のルールは決して米国の一言で決まるものではない」。中国のアジア太平洋問題専門家・沈世順氏は11日、環球時報の取材に応じ、米国のアジア太平洋システム構想についてこう指摘した。「アジア太平洋の既存の各組織、枠組みはうまく運営されている。特に欧州と比べると地域経済の活発さが際立つ。より広範囲なTPPは独自の魅力がない限り、一声で多くの国々が呼びかけに応じるという米国の一方的期待は外れるだろう。TPPの進展と実行状況が相互利益に沿ったものなら、アジア太平洋各国は喜んで参加する。だが米国がこれを利用して価値観同盟外交を行うのなら、推進は難しいだろう。アジア太平洋諸国と中国との経済的結びつきは、米国とよりも緊密だ。ある米国の同盟国は『米国とはより形式的な関係で、中国とはより実質的な関係だ』とすら表明している。当然、実質の方が形式よりも駆動力がある」と述べた。

「人民網日本語版」2011年11月14日

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