腐敗とその取り締りとの闘いは、長い歴史を通じて止んだためしがない。人々はかねてから腐敗と闘い、清廉な政府を創ることを重視してきた。2011年を振り返ると、党風廉政建設(清廉な政治を行う党風樹立)と反腐敗闘争への中国の決意、政府から民間までの腐敗とのたゆまぬ闘いを象徴する3つのキーワードがある。
■汚職官僚を厳罰に
1月6日、中央紀律検査委員会と監察省は張敬礼・前国家食品薬品監督管理局副局長(党組メンバー)を重大な紀律・法律違反で党籍剥奪、公職解任処分にしたと発表した。新年早々の高官の処分に高い関心が集まった。このほか張家盟・前浙江省人民代表大会常務委員会副主任、宋晨光・前江西省政協副主席(省共産党委員会統一戦線工作部部長)、劉卓志・前内蒙古自治区政府副主席などが重大な紀律・法律違反で党籍剥奪、公職解任処分を受けた。劉志軍・前鉄道相が紀律・法律違反容疑で捜査を受けた。許邁永・前杭州市副市長、姜人傑・前蘇州市副市長らが法に基づき処罰された。
■インターネットを通じた腐敗との闘い
党と政府が腐敗取り締りを強化すると同時に、民間ではインターネットが腐敗との闘いの重要な場となり、「問題官僚」たちがネットの力で摘発された。
湖北省視察チームの法外な公費乱用、中国石油化工の高級酒購入、昆明市などの官僚の性的写真スキャンダル、畢節市官僚の女性教師強姦といった事件が、インターネット世論の監督の下で捜査を受け、党・政府の紀律処分、または司法処分を受けた。
■官僚への責任追及
紀律・法律に違反した官僚への責任追及が強化された。また、問責を受けた官僚がいつの間にか復帰していた現象にも注目が集まった。
9月上旬に監察省、国土資源省、住宅都市農村建設省、国務院糾正行業不正之風弁公室は強制立ち退きによる死傷事件6件の捜査・処分状況を発表。副省級1人、市庁級4人、県処級20人を含む57人を党・政府レベルで処分した。「問題粉ミルク」や大火災など安全上の事故についても、責任者が厳しく処分された。また、年末になって、問責を受けた江西省宜昌市の官僚がいつの間にか復帰していたり、引責辞任したはずの湖南省株洲市の官僚がまだ役職についていたというニュースが世間を騒がせた。
「人民網日本語版」2011年12月27日