福建省の黄(ホワン)さんは好奇心から偶然軍用機の写真を撮影し、それをインターネットで公開したことから、国家機密を漏らしたとして懲役刑を受けたとあるメディアで報じられた。黄さんは一般のネットユーザーで、「スパイではない」とし、ただの好奇心から写真を撮影し、無意識に法律を犯してしまったと主張している。
実際に黄さんのような例は初めてではない。全国人民代表大会(全人代)内務司法委員会が発表した調査報告によると、インターネットでの機密漏えいは全体の7割以上にのぼり、さらに増加の傾向にあるという。
インターネット上の軍事サイトや掲示板、ブログが増えるにつれ、多くの軍事ファンがインターネットで国防情報をやり取りし、軍事に関する知識を深めるようになった。それが国防知識の普及、人々の国防意識の向上に積極的な役割を果たしているのは間違いないが、インターネットは軍事ファンに交流の場を提供すると同時に、海外の情報機関にも軍事秘密を得る手がかりを与えている。
米情報部門は、現在多くの価値ある情報をインターネットから見つけられ、こうした情報収集は労力と資金のかかる、リスクが極めて高い従来の偵察手段に取って代わることができるとしている。米軍が中国の軍事情報に関して研究する権威あるレポート「中国の軍事および安全保障の進展に関する報告」の中のかなりの部分の情報が中国の軍事ファンが公開したインターネット情報を元にしているという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年5月12日