「シー・シャドウ」は米国が80年代に極秘で開発を進めたステルス実験艦で、1983年の初公開以降は再び神秘のヴェールに包まれ、10年に渡り沈黙を守り続けた。しかし1993年、同実験艦は人々が忘れた頃になり、公衆の面前で一連の試験を大々的に実施した。
「シー・シャドウ」は非常に斬新で変わった外観を持ち、長期的に機密事項とされてきた。米海軍が同艦を開発した目的は、信号抑制技術の実験にある。つまり船体の探測可能な信号を最大限に減らし、最も理想的なステルス機能を実現することを目指した。軍事作戦用途について、米海軍は類似した軍艦による機雷の設置を計画した。米海軍とロッキード・マーチン社は同艦から得たデータと設計資料を、その他の艦艇の設計・改造に利用している(イージス艦等)。
「シー・シャドウ」は全長約48メートル、全幅約21メートル、排水量560トン、吃水4.2メートルに達する。ディーゼル・エレクトリック方式の2基2軸推進を採用し、最高速力が4ノットに達し、5級の海況(波の高さが2.5−4.0メートル)でも航行が可能だ。同艦の建設費用は、約5000万ドルに達した。