小野寺五典防衛相は2月5日、中国の軍艦が1月19日と1月30日に東中国海で海上自衛隊の艦艇と対峙した際に、ミサイル発射に用いるレーダーにより日本の艦艇・艦載ヘリを照射したと述べた。この情報が伝わると、中国国内の軍事マニアから高い関心を集めた。環球時報が伝えた。
敵対的な尾行および航行妨害を行う相手側の艦艇に対して、海軍艦艇が警告を行うことは国際的な慣例である。一般的に、A側の艦艇がB側の艦艇の航行に実質的な脅威を与えた場合、もしくはその安全に深刻な影響を及した場合、B側の艦艇は無線連絡により相手国に対して間違った行動をとらないよう口頭の警告を行う。口頭の警告に効果がなかった場合、B側の艦艇は艦砲を向けることにより、A側の艦艇の措置に対して警告を行う。当然ながら、火器管制レーダー照射により、A側の艦艇の措置に対して警告を行うことも可能だ。最後に、B側の艦艇は艦砲による威嚇射撃により、警告を行うことが可能だ。
このような事件には先例がある。2002年11月、朝鮮の海軍巡視船が白翎島の北3.5海里の海面で、北方警戒線を1.5海里越境した。韓国海軍の5隻の海軍艦艇が出動し、そのうち1隻の韓国艦艇が2度に渡り威嚇射撃を行った。朝鮮の巡視船は反撃せず、Uターンし撤退した。
中日の今回の事件において、日本側は双方の艦艇の距離がわずか3キロに接近したと称した。これは対艦ミサイルの近距離射撃を行うため限界とされる距離を大きく下回っており、対艦ミサイルの発射は想像しがたい。日本側は、中国側が対艦ミサイルの火器管制レーダーにより照射を行なったとしたが、これは日本側に良からぬ了見があるのではないかと疑わざるをえない。これはまた、中国艦のレーダー信号に関する日本側のデータ不足を反映している可能性がある。これにより、中国艦の行動に対する日本側の判断ミス、もしくは判断の遅れが生じる可能性がある。