全国政協委員を務める梁小虹・中国衛星軌道運搬ロケット技術研究院党委員会書記は2日、中国初の固体燃料ロケット「長征11号」について、着実に開発が進んでおり、来年には打ち上げられて、固体燃料ロケット分野の空白を埋めることになるとの見通しを示した。
梁氏によると、ロケット開発は5つの段階からなるが、長征11号はすでに計画検証段階と計画設計段階の主要技術の攻略と開発を完了し、現在第3段階であるプロトタイプの設計段階にある。年内には第4段階である試験機段階に入り、続く初打ち上げに向けた十分な準備を行う見通しだ。「今年われわれはプロトタイプ段階で明らかになったいくつかの技術的問題について試験機段階で追加実験を行い、今後の生産に向けた準備を整える」。
「初の固体燃料ロケットの開発によって、われわれはこの分野での空白を埋めるだけでなく、より重要なこととして、宇宙への速やかな基本的運搬手段を手にする。中国にとってこれは、将来突発的・緊急災害支援の力強い支えとなる」と梁氏は述べた。
梁氏によると、中国の長征ロケットはすでに170回以上の打ち上げに成功しているが、固体燃料ロケットの打ち上げは初となる。液体燃料ロケットの強みは5-10トンという高い運搬能力にあるが、加速時間が長く、検査から打ち上げまでの全工程に20-50日間も要するという欠点もある。固体燃料ロケットは運搬能力では液体燃料ロケットにおよばないが、打ち上げ命令を受けて検査から打ち上げまでを24時間以内に完了できることが最大の強みだ。「固体燃料ロケットの速やかな対応能力によって、突発的災害後の通信・観測にしっかりと対処でき、的確な対策を講じるうえで便利だ」。
長征11号システムは固体燃料ロケットと打ち上げ支援システムからなる。中国最大の規模と推力の固体燃料ロケットエンジンを採用しており、大型固体燃料エンジンおよび固体ロケットブースター技術の発展を牽引することが期待される。
「人民網日本語版」2013年3月3日