旧ソ連の航空母艦「ワリャーグ」を改装した中国初の空母「遼寧艦」が正式に就役してからというもの、中国初の国産空母の建造がいつ始まるのかは海外メディアが最も注目する話題となっている。英軍事専門誌『ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー』と米誌『フォーリン・ ポリシー』電子版は、最新のスクープ写真から、上海・江南造船集団の長興島造船所で建造中の艦体の骨組みは中国初の国産空母の一部である可能性が高いと伝えた。一方、日本の外交時事誌『The Diplomat』ウェブサイトは26日、カナダ軍事専門誌『漢和ディフェンスレビュー』を発行する「漢和インフォメーションセンター」の報告書を引用し、「長興島造船所で建造されている艦艇は国産空母ではなく、最新型の強襲揚陸艦である可能性が高い」と伝えた。
『The Diplomat』が伝えたところによると、中国軍事フォーラムが8月、長興島造船所で造船が行われている写真を初めて公開したことで、「中国は既に国産空母の建造を開始している」と多くのアナリストが指摘した。米誌『フォーリン・ ポリシー』電子版は、公開された写真を細かく分析し、艦体の上部が底部よりも大幅に大きいため、空母のアングルド・デッキの特徴と一致すること、上部にある巨大な割れ目が空母の格納庫の造りと極めて類似していること、別の巨大な割れ目は航空機昇降リフトの位置と非常に近いことなどを指摘した。更には船体の上部にV時型の凹みがあることから、カタパルトが設置される可能性が高いとして、中国初の国産空母は「遼寧艦」とは違い、戦闘機の離陸にカタパルトを採用するのではないかとの見方を示した。一方、『漢和ディフェンスレビュー』は、米衛星画像大手デジタルグローブ(DigitalGlobe)が撮影した写真から、長興島造船所で建造中の艦艇は、周りの造船ドックで建造している商用船とは明らかに違うと指摘し、長興島造船所はかつて、「中国初となる国産の大型海上戦闘艦艇を建造する決意と能力がある」とのスローガンを掲げていたと伝えた。
しかし、「漢和インフォメーションセンター」の報告書は、「外部は中国が建造中の強襲揚陸艦を空母だと誤解している」と指摘した。報告書はまた、「当該の艦艇がヘリコプターとホバークラフトを同時に搭載できる強襲揚陸艦であることは、既にウクライナ軍情報筋に確認し裏づけが取れている」と伝えた。同強襲揚陸艦は2015年に就役する予定で、満載排水量は3万5000トンに達し、中国人民解放軍が保有する現役の071型揚陸艦の2倍に上り、日本で進水したばかりのヘリコプター搭載型空母「いずも」をはるかに上回る規模であるという。この最新型の強襲揚陸艦にはホバークラフト4隻とヘリコプター20機が搭載可能であると見られている。『The Diplomat』によると、中国軍当局の専門家は以前、中国は米海軍のワスプ級強襲揚陸艦に類似した4万トン級の揚陸艦を建造中で、攻撃ヘリコプター「WZ-10(武直10)」と「WZ-19(武直19)」が搭載可能であり、揚陸部隊を輸送する大型ヘリコプターの援護任務に就くことを認めている。米国防総省は2013年の中国の軍事力に関する年次報告書で、中国は5年以内に新型の081型ヘリコプター強襲揚陸艦の建造を開始すると指摘していた。しかし、当時予想されていた最大の排水量は2万トン前後だった。日本の共同通信は「中国が空母に似たような新型の艦艇を建造しているのは、現在の海洋における領有権争いを念頭に置いている」との見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年8月28日