安倍政権がいわゆる「対中外交の突破」を必死に求めながらも成果が得られない中、日本メディアは16日に「中国の外交官が極秘訪日」という情報を喧伝し世論の注目を集めた。中日も同日、同情報について正式にコメントを発表した。二つのまったく異なる説明は人々の懸念を招くかもしれないが、中国の日本問題専門家は環球時報に対して、「日本がこの時期に同情報を発表した裏側には、さまざまな目的が存在する」と指摘した。
中国外交部の華春瑩報道官は16日に開かれた定例記者会見で、「関連する報道を確認した。中日両国の外交部門間は、連絡を続けている。具体的な報道内容については、私の知る限り事実ではない」と語った。
中国現代国際関係学院の日本問題専門家の劉軍紅氏は環球時報に対して、「日本側が中国が外交官を秘密裏に訪日させたと宣伝するのは、中国が対日関係の緩和を急いでいるという偽りの姿とムードを形成するためだ。正常な外交活動において、司局級以下の交流は事務レベルであり、このレベルの連絡は中日の間で途絶えたことがない。ゆえに日本側のいわゆる密使という説は成り立たない。日本が極秘訪問を喧伝するのは、国内の中日関係を改善せよという政治圧力を緩和するためだ。しかし中国側は、前提条件と原則を必要とし、関係緩和だけを目的としないという立場を貫いている」と指摘した。
日本の経済界が安倍政権に圧力をかけているため、日本は今年に入ってから高官を中国に頻繁に派遣している。7月末には、齋木昭隆外務事務次官を中国に派遣した。8月上旬には、井原純一アジア大洋州局長も訪中した。しかし共同通信社は中日関係の消息筋の話として、「現段階で日中双方には首脳会談の雰囲気が形成されていない。両国間の溝は深い」と伝えた。