村田忠禧教授
10月23日、中国社会科学出版社は「日中領土問題の起源-公文書が語る不都合な真実」の出版記念座談会を開催した。同書で明らかにされた写真や資料は、釣魚島がこれまで歴史上、日本に帰属したことはなく、中国・台湾島に帰属する島嶼であり、日本政府が中国から釣魚島を略奪した事実を証明している。人民網が伝えた。
著者の村田忠禧氏は、中日関係の釣魚島に関する争いが長く続いていることに注目してきた。早くも2003年には、「歴史的事実として、日本が尖閣列島と呼んでいる島嶼は本来、中国に帰属していたもので、琉球に帰属する島嶼ではなかった。日本は1895年にこの場所を占領し、日本は日清戦争勝利の期に乗じてここを窃取したもので、正々堂々と領有したものではない」と主張している。
「日中領土問題の起源」は今年6月、日本で出版され日本国内でかなりの反響を呼んだ。中国社会科学院文研出版社は、時を逸せずこの本を翻訳出版した。同書では「釣魚島は歴史上、日本に帰属したことはこれまでなく、中国・台湾島に付属する島嶼だった。日本政府が実際中国からこれを略奪したものだ。歴史資料や各年代の地図を対比すると、地理的にみて、釣魚島は琉球三府36島に帰属していない理由を説明する。この点は釣魚島の帰属問題で極めて重要である」と説明している。同書はまた1933年、日本が編集した「国際法先例彙輯」に収められた機密文書は、釣魚島に国家標識設置の事実を歪曲したものと説明し、そして日本が釣魚島を窃取した具体的な過程を紹介している。
村田教授によると、釣魚島問題がエスカレートし、中日関係の焦点になっている中で、この本が中日の人々に釣魚島問題の歴史と真相を理解する助けになることを願っている。冷静な態度で理性を重んじ、客観的な事実を尊重することを呼びかけたい。また、中国社会科学院近代研究所の歩平所長は、中日関係は政治と国民感情など様々な要因が絡んでおり、私たちは全面的に科学的な方法・見方によって、学術的な史実を尊重する上で、両国の歴史遺留問題を見守っていくべきだという。
村田忠禧:1947年7月、日本神奈川県に生まれる。東京大学文学部中国文学専攻を卒業、現在、横浜国立大学名誉教授、神奈川県日中友好協会副会長を務める。主な著書に「現代中国治国論-蒋介石から胡錦濤まで」、「尖閣列島・釣魚島問題をどう見るか-試される二十一世紀に生きるわれわれの英知」など多数。(編集EW)
「人民網日本語版」2013年10月28日