中国の爆撃機2機と軍用輸送機2機が25日と26日の2日連続で日本南部の島を通過し、東京を慌てさせた。日本の領空侵犯はなかったが、自衛隊の戦闘機が万一に備えて2度の緊急発進(スクランブル)を余儀なくされた。ロシアの声が伝えた。
安倍首相は27日に東京近郊の自衛隊朝霞駐屯地を視察した際、「現状変更を許さないとのわが国の国家意思を示す」と述べた。現在釣魚島(日本名・尖閣諸島)は日本に実効支配されているが、中国は釣魚島などの島嶼は昔から中国の領土であると考え、監視船を派遣している。28日にも中国海警局の船4隻が再び係争のある島の水域を航行、それを確認した日本側はただちに領海から出るよう求め、外務省は中国駐日本大使館に抗議した。
ロシア科学院極東研究所日本研究センターのワレリー・キスタノフ主任は東中国海情勢は次のように発展すると予測する。
島嶼をめぐる係争は今後さらに激化する。いつ終わるかはまだわからない。今戦っているのは神経戦で、あたかも軍事衝突に発展しそうだが、それは浅い見方だ。情勢を軍事衝突に発展させてはならないことは北京、東京どちらも指導者もわかっている。偶然の射撃または予想外の状況が起きれば、中国にとっても日本にとっても、北東アジア全体ひいては東アジア全体にとって恐ろしい結果を招く。問題は、両国がいつ各自の理性を働かせ、緊張緩和の糸口を模索し始めるかだ。