カイロ宣言は単なる政策宣言的文書ではなく、3カ国を拘束し、関係国に対して法的効力を生じる文書であり、国際協定の性格を備えている。『オッペンハイム国際法』(ジェニングス/ワッツ改訂)は「宣言が国家間の協定と見なされるか否かは、主に当事国の意思と使用する文言によって決まる」と指摘。 「条約法に関するウィーン条約」は「『条約』とは、国の間において文書の形式により締結され、国際法によつて規律される国際的な合意(単一の文書によるものであるか関連する二以上の文書によるものであるかを問わず、また、名称のいかんを問わない)をいう」と明確に定めている。「条約」の形式や名称は意に介さず、内容と本質を強調していることは明らかだ。カイロ宣言が通常の国際協定の形式を採用しているか否か、3カ国首脳の正式な署名があるか否かは、実は重要ではない。重要なのは、その内容が条約の定義に関する本質的要求を満たしていることだ。第1に、カイロ宣言は中米英政府首脳間で合意し、彼らの名で共同発表したものであり、3カ国の共通の意志と約束を表明した。第2に、正義と平和の維持という国際法の原則と目標に合致し、これを体現している。第3に、3カ国共同の対日作戦の目的、趣旨、懲罰措置を明確に規定し、法律的に確かな情報を明確に示した。したがってカイロ宣言は国家間の一般的な政策的声明と本質的に区別されるのみならず、3カ国間の拘束力ある協定として成立するのである。文書の形式と名称はカイロ宣言の性格と効力に影響を与えない。
国際文書が法的効力を持つか否かは検証を経る必要がある。カイロ宣言の法的性格と法的効力は、発表後の国際的履行によって検証済みだ。第1に、米英両国政府はカイロ宣言の法的効力に対する確信を様々な方式で表明し、カイロ宣言およびポツダム宣言の共通の約束を履行し、日本の降伏に対する処置と戦後日本の領土の取り決めに用いた。カイロ宣言の各条項の約束と行動を日本が受諾したことは、それが法的拘束力を備えることをなおさらに証明している。第2に、中国政府がカイロ宣言の規定に基づき、日本の降伏を受け入れ、台湾を取り戻し、台湾に対する主権行使を回復し、米英政府を含む国際社会の承認を得たことが、すでに確定的な法的事実を構成している。第3に、カイロ宣言はその後の国際法文書にしばしば盛り込まれ、または引用され、その法的性格と効力が主要大国と国際社会に認められた。朝鮮戦争前、米英政府はカイロ宣言の法的効力を間違いなく確認していた。1970年代以降の両国政府の対外文書も、これに正式に異議を呈してはいない。日本政府については、1972年の中日共同声明で「ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持」し、台湾を中国の領土とする中国政府の立場を十分理解し、尊重すると明確に約束したことが、「カイロ宣言」の法的効力を引き続き確認したことをはっきりと示している。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年11月29日