バイデン氏の訪中を見ると、オバマ政権は東中国海の係争が厄介な問題であり、日本に一方的に肩入れすれば米国の利益に合わないことを意識しているようだ。米国がより重視しているのは、自国の対中貿易と朝鮮の核問題だ。これは中国政府とホワイトハウスによる、バイデン氏訪中の報告の基調と内容から読み取ることができる。バイデン氏が北京を離れる前に、ホワイトハウスは米中の気候・エネルギー・食品安全などの経済協力を強調した。
仏華字紙『欧州時報』は「バイデン氏の訪中 地域の齟齬が大国関係に座を譲る」と題する記事の中で、「今回のバイデン氏による訪中の意義は、中日間の防空識別圏問題にはなく、大国関係の構築、米国のアジアにおける存在感と利益の最大化の強調にあった。そのため米国はアジア太平洋地域で、均衡を破る状況の発生を望んでいない」と指摘した。
華字ニュースサイト「日本新華僑報網」は5日の社説で、「オバマ政権の戦略リバランス、安倍政権の正常化な国という二つの国家戦略を分析すると、日本は曖昧な米国の態度ではなく、両国の国家戦略が共存できないことに苦しんでいることが分かる」と分析した。
華字情報サイト「豪州網」は、「東アジア情勢の緊張は、各国の力の対立によるものだ。バイデン氏が中国の罪状を読み上げ、中国を刺激すれば、火に油を注ぐようなものであり、地域の対立を激化させるだろう。この不安定な地域は、米国の世界戦略にとって不利である」と報じた。
米華字紙『世界日報』は社説の中で、「中米日の駆け引きが現在まで続けられているが、これまで指摘されていた通り、中国の防空識別圏の設定は、中国空軍の巡航強化の法的根拠となり、つけあがる安倍首相をけん制できる。その最終的な目的は米国を説得し、安倍首相の危険な戦略の抑制に協力させることだ。どうやら中国の戦略は、すでに半ば奏功しているようだ」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年12月11日