さらに中国の粘り強い抗戦は、「北進」してソ連をドイツと挟み撃ちするという日本の戦略を阻止し、東西両側での作戦行動をソ連に回避させ、ソ連は主要な軍隊を極東地域から対独作戦に回すことができた。この意義から言えば、中国は、アジアの主戦場であっただけでなく、世界の反ファシズム戦争の勝利にも歴史的に貢献したと言える。
だが当時の中国の国力は弱く、世界を二つの陣営に分断する冷戦の開始もあり、日本のファシズム戦争についての同盟国による戦後処理で中国の権益は十分に保障されず、東方の主戦場として中国が果たした大きな作用は国際世論の十分な評価を受けることができなかった。
歴史にはその本来の顔を取り戻させなければならない。世界の反ファシズム戦争の東方の主戦場となった中国の地位と作用は十分な評価を受けるべきだ。これは、歴史の正義と13億の中国人の尊厳にかかわる問題である。第二次世界大戦勝利70周年を記念する大型閲兵式を中国が開催する重要な目的の一つは、世界の人々に歴史の記憶を呼び起こさせ、中国の人々に歴史の正義を取り戻させることにあると言える。(文:王海運・中国国際戦略学会高級顧問、中国中露関係史研究会副会長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年2月15日