同じように心を動かしているのは、オーストラリアだ。中豪の経済・貿易協力は近年急速に発展している。中国はオーストラリア最大の貿易相手国であり、双方の協力には高い将来性がある。中国人民大学重陽金融研究院研究員の劉英氏は、「中豪関係は密接で、利害が共通している。特に中国はオーストラリアの石炭、鉄鉱石などの大口商品を大量に購入している。大口商品価格は現在低下しており、中国の内需が振るわなければ、オーストラリアの経済発展に直接的な影響を及ぼすことになる」と指摘した。
また地域内の競争相手であるニュージーランドは、今年1月にAIIBへの参加を表明していた。英・仏・独・伊が「チーム」を組みAIIBに加入したことで、オーストラリアは加入の多くの理由を手にするようになった。
周知の通り、AIIBは政治集団などではなく、単なる融資の場にすぎない。AIIBは世界各国に多くの協力のチャンスをもたらし、中国経済の持続的な発展のボーナスを分け与え、発展の成果を各国の国民に届ける。米国の同盟国に対する脅迫と警告、AIIBに混乱をもたらそうとする行為は腹黒く、心の狭さを感じさせる。これはどうすることもできない焦りと不安、ゼロサムの色濃い思考を示している。
国際金融危機後、西側諸国の経済は低迷期を脱していない。急速に台頭するアジアの新興市場は、発展のボトルネックに直面しており、インフラ整備の巨額の資金を必要としている。米国主導の世界銀行、日本主導のアジア開発銀行は現在、この需要を満たすことができない。従来の機構が新たな問題を解決できないのならば、新鮮な血液を取り入れる必要がある。これは現在の時代の流れの、必然的な需要だ。
このグローバル化の時代において、米国という「兄貴分」は「弟分」たちの発展の需要を無視し、さらには自国が手にできるはずの実益を蔑ろにしながら、21世紀の世界経済のルールは誰が作成するかという問題について考えている。現状に甘んじて進歩を求めず、ゼロサム思考にしがみつくならば、自滅するのも自業自得だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年3月19日