ロシアが大型空母を建造、狙うは「一石四鳥」

ロシアが大型空母を建造、狙うは「一石四鳥」。

タグ: 大型空母,新型空母,武力誇示,海軍強国

発信時間: 2015-04-11 10:03:52 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

(筆者:中国海軍軍事専門家 李傑)

先ほどロシア海軍のチルコフ総司令官は、ロシアが米ニミッツ級の規模を上回るとみられる、最新の航空母艦(空母)を建造中であることを裏付けた。ロシア政府・軍はこの十数年に渡り「新型空母が登場した」「ブーム到来」と叫んでいたが、常に急遽ストップがかけられた。紆余曲折を経るロシアの空母発展ブームは、人々にどのような戦略的な狙いを伝えようとしているのだろうか?

まず空母を含む大型艦の発展はロシアにとって、米国の武力誇示に対する最良の策である。ロシアはクリミアおよびウクライナ東部の問題で、西側に絶対に屈服しないという合図を送ることができる。ウクライナ東部の戦闘により、ロシアと欧米諸国は駆け引きを続けており、その関係は冷戦以来で最低の水準まで冷え込んでいる。激しい駆け引きの中、プーチン大統領が率いるロシアは、より多くの力強い対策を手にしようとしている。ロシアは新型空母の艦載機数が、米ニミッツ級の10機以上になると称しているが、海軍艦載機の戦術・技術性能に関するコメントを控えている。しかし少なくとも、艦載機数で米国の空母に勝ることになり、後者との輿論戦で優位に立つ資本を得ることができる。

次にロシア海軍は、米国に匹敵する大型空母などの軍艦の発展を加速させなければ、現在および未来の米国との戦略的駆け引きおよび海での対峙において勝算を失うことを認識している。ロシア海軍は冷戦後の海のパワーの急激な低下による苦境と危機の中で、空母を中心的に発展させる必要性を認識した。特に世界一流の海軍強国として再び台頭するためには、優れた空母とその他の大型艦を配備すべきだ。潜水艦のみを発展させるならば、主導権を握ることが困難なばかりか、受動的になり攻撃を受けるだろう。

それからロシア海軍は新型空母などの大型艦の発展により、水上艦の更新のペースを加速させ、海のパワーの現代化・バランス化・体系化を早期実現しようとしている。ロシアは近年、旧ソ連時代の空母に改造を加えインドに提供し、空母の改造・建造の経験と技術を取り戻しつつある。多くの工場、大型設備などのハード面の条件も、建設・補完されている。さらにロシアの軍事費が年々増加し、軍事予算は2011−2015年の5年間で4倍弱に膨れ上がった。そのためロシア海軍は旧型空母などの中・大型艦の更新を加速し、その戦術・技術性能を大幅に高めようとしている。また艦隊を組むその他の艦艇の更新をけん引し、ロシアの海のパワーの現代化・バランス化・体系化を促そうとしている。

最後に、大型空母の発展は、ロシアの軍需会社の世界トップの地位の維持、武器輸出国としての強い地位の維持を促す。ロシアは長年に渡り世界軍需市場において、2位の座を維持してきた。その武器輸出量は世界の約27%を占め、主要武器の輸出増加率は37%に達している。武器輸出はロシアにとって最も重要な財源の一つだ。

西側諸国の武器の技術力が向上し、ロシアの武器設計・開発能力が低下(一部の武器は急激に低下)していることから、主要武器の輸出で見せていた強みが薄れつつある。特に空母、強襲揚陸艦、大型駆逐艦などの場合、ロシアと米国の間には大きな開きがあるばかりか、二流の強国(英国、フランスなど)の大型艦の設計・建造と比べても見劣りするほどだ。ロシア企業は空母と艦載機の研究開発によって、ロシアが依然として先進的な空母設計技術・建造能力、および力強い発展の原動力を持つことを、世界の人々に見せつけようとしている。しかもロシアは近い将来、米国に決して劣らない超大型空母を開発・建造する見通しだ。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年4月11日

TwitterFacebookを加えれば、チャイナネットと交流することができます。
iphoneでもチャイナネット!

日本人フルタイムスタッフ募集    中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで
 

コメント

コメント数:0最新コメント

コメントはまだありません。