フィリピンの関係者は20日、政府が総額3兆ペソ(約662億4000万ドル)の予算案を発表したと述べた。そのうち軍事費は、過去最高の250億ペソ(5億5200万ドル)となっている。
フィリピン予算管理相はロイター通信に対して、「この250億ペソは、フィリピンの20年間に渡る軍隊現代化プロジェクトにおける最大の支出だ」と述べた。この政府予算案は、ベニグノ・アキノ3世大統領が今月27日、任期内の最後の一般教書演説を行った後、議会の審議に提出される。
フィリピン軍の高級将校は、「250億ペソは、2隻の護衛艦、2機の双発・長距離偵察機、3基の空中監視レーダーの購入に充てられる。南中国海方面の軍事偵察の強化が狙いだ。余った資金は、韓国の小型戦闘機の分割払いに充てられる」と明かした。
一部のアナリストは、「フィリピンの2012年以前の安全の脅威は、主にモロ・イスラム解放戦線、新人民軍、アブ・サヤフなどの反政府武装組織によるものだった。ゆえにフィリピン政府は90年代より、軍事費を主に反乱軍と戦う陸軍に投じていた。海軍と空軍は、その補助的な力を発揮した」と述べた。
しかしモロ・イスラム解放戦線などの反政府武装組織と政府の関係が改善され、新人民軍の勢力が弱まったことから、フィリピン軍の規模が縮小し、軍事費も減少傾向を維持してきた。軍はこの傾向に不満を抱いていた。
アキノ政権が南中国海問題を誇張すると、軍事費増加の「根拠」が見つかった。アキノ大統領は2013年5月、750億ペソ(16億6000万ドル)の軍事現代化プロジェクトを批准し、海軍の発展に力を注いだ。この計画によると、フィリピン政府は2013−2017年の5年間に渡り毎年150億ドル(3億3000万ドル)を捻出し、装備の更新、海軍・空軍の武器導入に充てることで、仮想敵国に対抗することになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年7月22日