秋の9月、習近平国家主席が訪米する。今回の訪問は中米関係の歴史上、新たな節目となる。両国関係の未来の動向を左右し、世界に深い影響を及ぼすため、国際社会から注目を浴びている。
中国の首脳であった鄧小平は1979年、中米国交樹立後まもなくして初の訪米に臨んだ。それから習主席の今回の訪米まで、中米関係は36年の時を歩んだ。紆余曲折を経たが、絶えず前進した。「三十にして立つ」という言葉があるが、中米関係はすでに30年を超えており、深く根ざし葉が繁茂し、日増しに成熟している。中米関係の「立つ」は、双方に共通する選択であり、両国の根本的な利益の根源でもあり、かつ大勢の赴くところだ。これが一時的な妨害や雑音に阻まれることはない。
中米関係の「立つ」は、両国間の広い共通の利益の基礎、協力の高い潜在力に根ざす。中米は世界最大の2大経済国であり、互いに重要な貿易パートナーだ。世界最大の発展途上国と世界最大の先進国である中米は、各分野で無限の潜在力を持つ。二国間・地域・世界レベルで、幅広い共通の利益を持つ。中米関係の長期的な安定と健全な発展は、両国民の福祉に関わり、世界の平和・発展・繁栄に資する。
中米関係の「立つ」は、国交樹立から30年以上に渡る「大同につき小異を残す」、実務的な協力によって蓄積された共通認識と相互信頼によるものだ。中米関係は時に波乱を迎えたが、交流と協力が常に主流だった。両国首脳は衝突と対立の回避を最低条件とし、相互尊重を交流のルールとし、協力・ウィンウィンの実現を努力の目標とする新型大国関係の実現に向け共通認識を形成した。これは中米の戦略的相互信頼を促進する新たな基礎を固めた。
中米関係の「立つ」は、両国首脳の先見性と正確な指導と切り離すことができない。両国首脳は1970年代前半、非凡な戦略的視野と卓越した政治的知恵により、中米を隔てていた硬い氷を打ち破った。鄧小平が1979年に訪米し、中米関係の新たな時代の幕開けとなった。両国首脳は歴史的な節目を迎えるたびに、障害を飛び越え波を切り抜け、中米関係を新たなスタート地点に向かわせ、両国関係の未来の発展の方向を指し示した。
鄧小平は36年前に訪米し、中国人民の改革開放の重大な決定を宣言し、中国と世界に深い変化をもたらした。36年後の今日、複雑で変化の激しい国際情勢を迎えた習主席の訪米は、中国が平和的発展を貫き、ウィンウィンと対外開放を続けるという確固たる承諾を示し、中米関係の発展と世界の繁栄促進に新たなチャンスをもたらす。
広大な太平洋には、中米という2つの大国を収める十分な空間がある。我々はこの大洋を跨ぐ訪問が、中米関係の長期的・安定的かつ健全な発展に新たな原動力を注ぎ込み、中米の協力・ウィンウィンの新たな願いを描き出し、世界の平和・安定・発展・繁栄に新たな自信をもたらすことに期待しよう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年9月15日