中米関係に存在する問題についてナイ教授は、両国の経済・貿易・人的、文化分野の交流は絶えず深まっているものの、相互理解と相互信頼に欠けているため、そこから生まれる問題が多くあるとしている。その上でナイ教授は、米中のサイバーセキュリティー分野における意見の食い違いは、相互信頼の欠如の表れであるということができ、この分野での協力を増やし、余計な疑いを減らす必要があり、「米中は交流を強め、客観的かつ理性的に相手と向き合う必要がある」と指摘した。
また、中国は絶えず発展しているが、アメリカには依然独自の優位性があり、焦る必要はないとナイ教授は考える。中国は脅威としてアメリカ国民や専門家に誇張されることも多いが、誇張や中国の発展を貶めるやり方は間違っている。中国経済の発展は実際には一種の「回帰」であるとする必要があり、歴史的背景や中国の発展段階をより長いスパンで考慮しなければ、中国の発展に対し過剰な反応をしてしまうことになると述べた。 国際関係における権力の移転についてナイ教授は、国家間の権力の移転や政府と国際組織、非政府組織間の権力の移転は正常な現象で、順応するということを学ばなければならないと指摘した。(編集IM)
「人民網日本語版」2015年9月17日