――私たちは公平で正義にかなった、共に築き分かち合える安全保障構造を作り上げる必要があります。経済グローバリゼーションの時代にあって、各国の安全保障は相互に関連し、互いに影響し合っています。自国だけの力で絶対的な安全保障を追求できる国はなく、他国の動揺によって安定を手に入れることのできる国もまたありません。弱肉強食はジャングルの掟であって、国と国との付き合いの道ではないのです。みだりに武力を用いることは横暴なやり方であり、うまくやろうとしてかえって悪い結果を招くことにしかなりません。
私たちはあらゆる形態の冷戦思考を捨て、共通で、総合的で、協力的で、持続的に安全であることが可能な新観念を打ち立てる必要があります。私たちは国連と安保理の戦争を食い止め平和を守る上での核心的役割を十分に発揮させ、紛争の平和的解決と強制的行動を併用することで、戦争を友好へと変えていくべきです。私たちは経済・社会分野の国際協力を同時に推進し、安全に対する伝統的脅威と非伝統的脅威に対して統一計画的に対応し、戦争の災禍を未然に防がなければなりません。
――私たちは開放的かつ革新的で、包容力があり互恵的な発展という未来図を追求する必要があります。2008年に起きた世界経済金融危機は、資本の利益追求を放任すると新たな危機が引き起こされることを私たちに教えてくれました。道徳を欠いた市場では、繁栄し発展する世界という巨大な建物を支えることはできません。富める者がますます富み、貧しい者がますます貧しくなる局面は長く持続することができないばかりか、公平と正義にも反しています。「見えざる手」と「見える手」を巧みに用いて、市場の役割と政府の役割を有機的に統合し、相互に促進し、効率と公平を両立した規範的な構造を作り上げるよう努力するべきです。
皆が共に発展することこそが真の発展であり、持続可能な発展こそが良き発展です。この目標を達成するには、開放的な精神を受け継ぎ、持ちつ持たれつの互恵互利の関係を推進しなければなりません。現在世界には極貧の生活を送っている人がまだ8億人おり、毎年600万近くの子どもたちが5歳になる前に幼くして亡くなり、6000万近くの子どもたちが教育を受けられずにいます。閉幕したばかりの国連開発サミットで、ポスト2015年開発アジェンダが策定されました。私たちは約束を行動に移し、誰もが貧困から脱し、発展し、尊厳を得られる明るい未来を共に作り上げていかなければなりません。