今年7月に上海協力機構加盟国はロシア・ウファで元首理事会第15回会議を行った。現在中国・鄭州で開催中の上海協力機構政府首脳(首相)理事会第14回会議は、ウファ会議の戦略計画を実行に移すものだ。(文:沈丁立・復旦大学国際問題研究院副院長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
上海協力機構は14年間の発展を経て、そのカバー範囲は当初の地域安全保障から経済、人、文化を含む全方位へと拡大した。上海協力機構は地域の安定・安全を維持する役割を担うだけでなく、協力範囲を経済、貿易、投資、金融、エネルギー、インフラ、人、文化など多くの分野に拡大し、広範な基礎分野で協力と相互信頼を固め、アジアの安全と発展の重要な準地域を形成した。上海協力機構の発展は、アジアの人々には対話と協議を通じて信頼と安全を強化し、運命共同体を形成する能力があることを十分に示している。
ウファサミットはこの地域が脅威と試練の高まり、各国経済の下押し圧力の増大に直面しているという背景の中で開催された。サミットは新情勢下の上海協力機構の発展戦略を決定し、各分野の協力について重要な計画と方針をまとめ、上海協力機構が引き続き効率的、実務的、健全な方向に沿って急速に発展し、加盟国の脅威や試練への対処能力を助け、経済成長を実現するうえで重要な影響をもたらした。
鄭州で開催中の上海協力機構政府首脳(首相)理事会第14回会議は、ウファサミットの示した発展戦略と計画、方針を実行に移し、上海協力機構の各分野の協力水準を全面的に高め、中国と加盟国との協同発展を深化することを旨としている。
ウファサミットで加盟国は「上海協力機構の2025年までの発展戦略」を採択し、今後10年間の機構の発展と加盟国の協力の方向を指し示した。鄭州会議は「上海協力機構の枠組での経済、貿易、投資、金融、交通、人、文化協力の現状、展望および発展措置」に焦点を合わせ、シルクロード経済ベルトを取っ掛かりに、こうした分野での地域協力のチャンスと挑戦について研究し、シルクロード経済ベルトと各国の発展戦略およびユーラシア経済連合を結合する。上海協力機構は貿易の円滑化、生産能力協力、インフラ整備、金融などの分野での加盟国間の積極的な協力を促進することを特に必要としており、現在の国際・地域情勢の下で、今回の会議は協力推進の優先分野と課題について合意し、方針をまとめることを差し迫って必要としている。