ハリス米太平洋軍司令官はニューデリーで2日、米印日が今年、フィリピン北部の南中国海の係争地域で、合同軍事演習を行うと発表した。ハリス氏は、航行の自由はすべての国の基本的な権利と述べる一方、「一部の国は恫喝と脅迫の手段により小国をいじめようとしている」と、名指しではなかったが批判した。ハリス氏は最近、中国を数えきれないほど「警告」している。
ハリス氏は2013年に米太平洋艦隊司令官に就任し、昨年5月に米太平洋軍司令官に昇格し、南中国海の緊張情勢の新たな変化を迎えた。米国はこの変化を引き起こした、重要な介入国となった。米軍全体が中国に強硬な姿勢を示すなか、ハリス氏が最も頻繁に記者の前に立っている。ハリス氏はさまざまな場で中国を批判し、米軍の西太平洋における覇権維持の決意を示している。
当然ながら中国人は、ハリス氏を好ましく思っていない。ハリス氏は「最も非友好的」な米太平洋軍司令官というイメージがあるからだ。一部の中国人はハリス氏が日系人であることに注目し、これを理由に馬鹿にしているほどだ。しかし多くの中国人学者はこのような憶測に反対し、ハリス氏の中国への態度は日系人であることと関係がないと判断している。
米太平洋軍司令官は米軍の要職であり、重要な外交官でもある。このポストは米国と中国の安全関係を構築し、中米関係を促進する重要な役割だ。ハリス氏は中米関係の大局の制約を受けながらも、中米の食い違いをさまざまな交流の場で過小評価する、もしくは過大評価する権力を持っている。
ハリス氏が真剣に南中国海の平和的な雰囲気を維持することに興味を持ち、これに対して責任があると感じているようには今のところ見えない。ハリス氏の中国に対する強硬な発言は、これまでの前任者の合計を上回るほど多い。南中国海を巡る中米関係の緊張化を考慮しても、ハリス氏は中国に極めて非友好的だというイメージを形成しやすい。
ハリス氏は米国の利益に従うほか、中国がどの利益を重視しているかへの理解を深め、米中両国の南中国海における決意を知る必要があるかもしれない。ハリス氏は、中国の決意で米国の決意をくじこうと主張する中国人が多くいることを知るべきだ。ハリス氏の発言はおそらく、中米双方の多くの人の対抗心を煽っている。
当然ながら、中国が米国の軍事的圧力への備えの強化を主張するのは、南中国海問題が中米関係を左右する中心的要素だと考えているからではない。中米関係は豊富で広い中身を持つが、ハリス氏への対応を誤ってはならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月5日