オバマ氏、任期満了前に中国をけん制
オバマ氏、任期満了前に中国をけん制。
タグ： オバマ米大統領,ベトナム,武器禁輸
オバマ米大統領は23日、41年間に渡る対ベトナム武器禁輸を完全解除し、ベトナム戦争によって残されていた最後の禁令を取り下げた。米国は2014年に、一部禁輸を解除していた。
オバマ大統領は中国を念頭に置いた動きではないとしているが、このかえって馬脚を現すような発言は、米国と中国の戦略的な対立を激化させるという結果をもたらしている。
米国の「アジア太平洋リバランス戦略」において、ベトナムは特殊な地位を与えられている。米国の対ベトナム政策には、次の3つの内容がある。（1）人権・民主を強調し、東南アジアで米国の価値観を掲げ続ける。（2）ベトナムを利用し、南中国海情勢を乱す。ヒラリー氏は6年前にハノイで、南中国海の航行は米国の国益に関わるという刺激的な発言をし、南中国海の安寧を乱した。（3）ベトナムとの経済・貿易関係の推進。TPPを礎とし生産チェーンを再編し、中国産業の国際市場におけるシェアを奪う。さらに米国は「アジア太平洋回帰」の課程で、経済的利益を手にすることができる。
米国が禁令を取り消しても、ベトナムが現段階で、米国から大量の武器装備を輸入する可能性は低い。ベトナムの現在の武器は主にロシア製であり、人員の育成や後方支援などを短期間内に変えることはできないからだ。しかしベトナムが将来的に米国から、特に海上の殺傷力の高い武器を購入する可能性を否定できない。こうしてベトナムは比韓日豪などが構成する、米国主導の地域安全システムに加入する可能性がある。
オバマ大統領のこの措置には、ベトナムに米国製品の購入を促すという、もう一つの現実的な意義がある。今回の訪問中、双方は価値にして約160億ドルの契約を結んだ。これには航空機100機と風力発電所が含まれる。
ベトナムの世界産業チェーンにおける拡張は、2つの面から中国を脅かす。まず産業チェーンの再編は、中国の関連企業の外部シフトを促し、これにより失業者が増加し産業の空洞化が生じる恐れがある。次にTPPという新貿易基準の発効は、中国が世界貿易規則の交渉に参与することを妨げ、中国が他国と自由貿易交渉を行うことを困難にする。
「中国網日本語版（チャイナネット）」2016年5月24日
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