米国の南中国海における策略・目標、中国の対策などの問題について、中国網はこのほど国防大学防務学院院長、国防大学教授、中国人民解放軍少将の朱成虎氏の独占インタビューを行った。朱氏の発言内容は下記の通り。
米国が調整すべきは、対中政策全体だ。まず米国は中国の台頭が必然的な流れになる可能性を意識しなければならない。次に中国の台頭は、米国により多くのチャンスをもたらす。それから、米国が中国をけん制しようとしても、すぐに成功するとは限らない。さらに、米国は軍備競争により中国を妨害しようと試みているが、これは完全に不可能だ。中米間には競争があるが、これは絶対に全面的な競争ではない。最後に、米国は対中政策全体で、対抗を求めるのではなく協力を重視するべきだ。
中国にも確かに調整すべき点がある。まず対米関係については、両国関係の安定を立脚点とし、両国関係の発展を促す。しかしこれにすべての期待をかけてはならず、過去のように最後まで歩み続けることはできない。次に、中国は対外宣伝の方法を調整するべきだ。例えば相手側が受け入れられる言語や手段を用いるなどだ。それから誤解を減らすため、中国には行為の調整が必要だ。相手が受け入れられる手段にする、もしくは何かをする前に関連国と事前に協議するなどだ。これについて、中国にはすでに成功の経験がある。
他にも中国は米国との信頼メカニズムの構築を推進し、これにより中米間の戦略的相互信頼を促進する。中米間には戦略面、特に安全面の信頼がない。
米国は、新たに台頭する大国は必然的に既存の大国を脅かし、既存の大国は必然的にこの脅威に対応すると考えている。冷戦時代、ソ連は米国の脅威となった。そこで米国はあの手この手でソ連を苦しめ、最終的に解体させた。冷戦終了後、米国で1993年に作成された内部文書によると、米国の未来の脅威となりうるのはドイツか日本とされていた。ブッシュ大統領の政権時代になると、世界を驚かせた9.11同時多発テロが発生した。米国は脅威への判断を調整し、テロを米国の主な脅威とした。そこで中国との協力、中国からの支持の切実な需要が生まれた。テロリズムをある程度抑制したあと、米国の敵になる資格を持つのはどの国だろうか?それはもちろん、中国だ。中国は大国であり、かつ高度発展中の社会主義大国だからだ。
南中国海問題の解決について、中国には日程表がない。全体的な解決方針は、平和的な手段の選択だ。中国は常に域外国からの介入に反対している。このような介入は、南中国海をますます混乱させるばかりだからだ。また南中国海問題は二国間によって根本的に解決されるべきであり、多国間で解決されるものではない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年7月6日