オバマ米大統領が来年1月の任期末までに「核先制不使用」の宣言を含めた核軍縮策を検討していると、米メディアが11日に報じた。
ワシントン・ポストのコラムニストで外交政策と国家安全保障を担当するジョシュ・ロジン氏は、「オバマ大統領は残り6カ月の任期内で米国の核政策の見直しを検討しており、この数週間で安全保障担当の閣僚らによる会議がすでに2回開かれた」と伝えた。
関係者がロジン氏に語った話によると、「核先制不使用」のほかにも、オバマ政権は核兵器の近代化計画の予算縮小、ロシアとの核軍縮条約「新START」の延長、国連の安全保障理事会に核実験を禁止する決議を提案することなども検討しているもようだ。
共和党議員はこれについて、米国の核政策転換につながるとし、米国の核の傘下にある日本、韓国などの同盟国も注目するとみている。
ロジン氏によると、これに反対する国会議員は「オバマ政権は核政策の見直しが、欧州や北東アジアの同盟国にどれだけの影響を与えるか考えていない」とみている。報道は「提議された多くの項目について異議があがっており、いずれも議会の承認が不要だ」とし、オバマ大統領は最終決定を出していないが、「すぐに自ら考えるはずだ」としている。
オバマ大統領は2009年1月に就任後、4月のプラハ演説で「核なき世界」を呼びかけた。しかし任期も終わりに近づき、この提議も実現が難しくなっている。
ベン・ローズ大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)は6月6日の軍縮協会の年次総会で、「オバマ大統領は5月下旬の広島訪問後に、行政手段を通じ、プラハ演説で掲げた『核なき世界』の推進を考えているが、これに関する作業は終わっていない」と述べた。
ロジン氏は、オバマ大統領が自らの「レガシー(政治的な遺産)」を残すことを急ぎ、議会を通さずにホワイトハウス単独で動くなら、任期満了に伴い政策転換が引き継がれる可能性は非常に低いと指摘する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年7月13日