米大統領選の投開票まで、残すところあと100日となった。民主党の候補者になったばかりのヒラリー氏、共和党の候補者のトランプ氏の駆け引きが激化しており、一風変わった政策が打ち出されている。
トランプ氏は29日の活動中、対中貿易赤字の問題について触れ、「米国は貿易問題で愚かなことを続けるのではなく、賢明になる必要がある。米国の巨額の貿易赤字により、中国に嫉妬するべきではない」と述べた。トランプ氏はさらに「中国は偉大で、私は中国を愛している。私は中国とビジネスをしている。私たちは中国とよく付き合うべきだ」と呼びかけた。
一部メディアは、トランプ氏の中国への態度が180度変わったとしているが、多くの主流メディアの反応は淡々としている。トランプ氏は大統領選が始まってから、中国に多くのきつい言葉を投げかけている。中国が人民元レートを操作していると何度も批判し、「中国製品に45%の高い関税をかける」「雇用を中国から取り戻す」と述べ、さらには対中貿易赤字問題を「強姦」という言葉で形容した。
米民主党の機密メール流出問題により、トランプ氏のロシアへの態度が注目されている。トランプ氏は31日、米ABCのインタビューに応じた際に、クリミア問題に注目しており「当選すればクリミアの所属問題について審議する。私が知るかぎり、クリミア人はウクライナではなく、ロシア側にいたいようだ。ウクライナはNATOと堅固な関係を結んでいるが、ウクライナはやはり混乱している」と述べた。トランプ氏はさらに、当選後にロシアとの関係改善を目指すと表明し、「正直に言えば、ロシアと良好な関係を構築できれば、ロシアが米国に協力しイスラム国(IS)を滅ぼせば、私たちは多くの金と命、さらに他のものを節約できる。これは消極的なことではなく、非常に積極的なことだ」と話した。
ロシアの政治家は「トランプ氏の発言は、その立場がオバマ大統領やヒラリー氏と異なることを示している。トランプ氏はオバマ大統領とヒラリー氏の悪いイメージを自分のために利用しようとしている。選挙活動において、彼は成功している」と指摘した。
1日付米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は「トランプ氏とヒラリー氏はロシアの役割をめぐり論戦を展開した」と論じた。英デイリー・テレグラフ紙は「ヒラリー氏とトランプ氏のロシアに関する議論は、米国の海外での役割における両氏の大きな相違点を反映している」と分析した。トランプ氏は、弱くなった米国は支出を削減し、同盟国により大きな貢献を求めるべきだと考えている。ヒラリー氏は同盟国およびパートナーに対する長年の約束を継続すべきだとしている。英フィナンシャル・タイムズ紙は「全体的に見ると、ヒラリー氏の外交政策はオバマ大統領よりも強硬で、中ロに強硬に対処することになる」と分析した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年8月2日