中国―ASEAN関係の調整国であるシンガポールのリー・シェンロン首相は昨日、ラオスのビエンチャンで開かれた中国―ASEAN首脳会議において、南中国海問題について言及した際に「最も力強い関係であっても、各国間には問題が生じる。南中国海はこのような問題だ。しかしすべての危機にはチャンスが含まれる」と表明した。
南中国海問題は首脳会議の重要な内容ではない。しかし南中国海の仲裁という茶番の後に初めて開かれるASEAN関連首脳会議であり、米国のオバマ大統領と日本の安倍晋三首相も出席することから、南中国海は海外メディアの注目点となった。会議前に「主権をめぐる問題で中国を憤らせるつもりはない」と表明していたフィリピンのドゥテルテ大統領はほぼ「約束」を守ったが、フィリピン国防省は同日「多数の中国船が黄岩島に集結」したという数枚の写真を公開し、「中国が黄岩島の建設に取り組むかもしれない」ことへの輿論の関心を引こうとした。最も挑発的な発言をしたのは、安倍首相だ。南中国海情勢に「深刻な懸念」を表したばかりか、中国に仲裁結果を受け入れるよう再度呼びかけた。この「皇帝は焦らず宦官が焦る」という公然たる挑発は、ASEANから賛同を得られなかった。
7日午後に発表されたASEAN議長声明には、予想通り南中国海の仲裁が含まれなかった。テレビ朝日は日本の失望について「(米日が目指していた)中国包囲網にほころびが生じた」と論じた。一連の首脳会議に出席した中国の李克強総理は、「中国はASEAN諸国と共に努力し、より緊密な運命共同体を築いていきたい」と強調した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年9月8日