米大統領選挙の民主・共和の両候補による2回目のテレビ討論会が、現地時間9日夜に行われた。今回は事前にテーマが設定されていた先月26日夜の第1回とは異なり、両候補による国民の質問への回答から始まった。メディアは2回目の討論会について、安全・経済・雇用・教育などの問題が引き続き注目されると判断した。また共和党候補のドナルド・トランプ氏が女性を侮辱した動画が暴露されたことで、女性問題も避けては通れない焦点になりそうだとしていた。
ドイツ通信社は「包囲されたトランプ氏は討論会前に緊急記者会見を開き、元大統領の ビル・クリントン氏から性的暴行を受けたという女性数人を引っ張りだし、スキャンダルによる圧力を払拭しようとした」と報じた。
AP通信は「女性侮辱の動画が公開され、トランプ氏のトラブルは民主党候補のヒラリー・クリントン氏の私用メール問題の悪影響を完全に覆い隠している。ヒラリー氏の非公開講演における、立場にふさわしくない発言のマイナス効果も相殺された。2回目の討論会は、トランプ氏が大統領選前の1カ月の選挙戦で、崩壊を回避する最後のチャンスだ」と伝えた。
ロシア・スプートニクは「2回目の討論会は、議事会の形式で行われる。現場の有権者が直接質問することで、より国民に近い討論になる。トランプ氏の個性的な発言は、両候補の間で揺れ動く有権者に働きかけるかもしれない。1回目の討論会後、世論調査ではヒラリー氏の支持率が上回っていたが、両候補に対する不支持率もかつてないほど高かった」と報じた。
共同通信は、11月の大統領選まで残すところ1ヶ月内となったが、圧力を受けるトランプ氏は依然として「挑発的」で、選挙から下りることは絶対にないと表明したと伝えた。
AFP通信は「侮辱的な動画が公開されたあと、共和党の重鎮はトランプ氏と一線を画し、より深刻な状況に追いやっている。しかしトランプ氏が諦めることはなく、ライバルのヒラリー氏への攻撃を強めることになりそうだ。ジュリアーニ元ニューヨーク市長は、彼(トランプ氏)はそのような人物ではないが、ヒラリー氏と家庭のスキャンダルをつかんで放そうとしないだろうと述べた」と報じた。
AFP通信はまた「大統領選の白熱化に伴い、メディアは今後も黒幕を暴き続ける。両候補のさらなるスキャンダルが明らかになり、大統領選が混乱するかもしれない」と伝えた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年10月11日