米CNNは31日、時事コメンテーターを務めるドナ・ブラジル氏との契約を解除したと発表した。内部告発サイト「ウィキリークス」に掲載された電子メールによると、米民主党全国委員会暫定委員長のブラジル氏は大統領予備選中の3月、候補者のヒラリー・クリントン氏に予定質問を事前に伝えていた。
ウィキリークスは同日この電子メールを公表した。それによるとCNNが3月13日にミシガン州フリントで予備選を行う前日、ブラジル氏がクリントン氏の陣営のジョン・ポデスタ選挙対策委員長、ジェニファー・パルミエリ宣伝部長に電子メールを送信した。
フリントは鉛汚染の危機にさらされている。ブラジル氏は電子メールの中で、現地在住の女性がクリントン氏に対して「私と家族が鉛中毒に苦しんでいる。当選したら、フリントの市民のために何をするか」と質問すると伝えていた。その翌日、ある女性が自分と家族が皮膚病にかかっていると述べたが、別の質問をした。
ブラジル氏は同じ電子メールの中で、クリントン氏に死刑問題について質問することをほのめかしていた。
ブラジル氏は電子メールの中で、「事前に質問の内容を入手できることがある」とし、今後も情報を伝えると約束した。
CNNは、ブラジル氏がコメンテーターとしてクリントン氏の陣営と「交流」したことを不安視し、辞表を受理したと報じた。
ブラジル氏は民主党の選挙対策のベテランで、CNNで長年コメンテーターを務めてきた。今年7月下旬には民主党全国委員会暫定委員長に就任し、コメンテーターを一時休止していた。前委員長のデビー・ワッサーマンシュルツ氏が辞職したのは、民主党高官がクリントン氏の予備選の競争相手であるバーナード・サンダース氏の、意図的なイメージダウンを図ったとする電子メールが、ウィキリークスによって暴露されたからだ。
共和党のドナルド・トランプ候補は、クリントン氏がサンダース氏に対して「不公平なほど有利」であったと批判を続けてきた。これには事前に質問の内容を知っていたことが含まれる。トランプ氏はさらに、CNNが自身に対して偏見を持っていると批判した。
ブラジル氏は当日、情報漏えいについてコメントせず、ツイッターでCNNと同僚に感謝のメッセージを投稿した。クリントン氏の報道官は、クリントン陣営は「ロシア政府のハッカーが入手したすべての電子メールの信憑性」についてコメントしないと発言した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年11月2日