中国の習近平国家主席が17−23日にかけてエクアドル、ペルー、チリを歴訪し、ペルーの首都リマで開催されるAPEC第24回非公式首脳会議に出席する。中国とラテンアメリカの関係が注目されている。
ラテンアメリカと中国は地理的に最も遠く離れているが、双方の関係は近年、急速に発展している。双方の2015年の貿易額は2365億ドルに達した。中国はラテンアメリカにとって2番目の貿易相手国、3番目の投資由来国だ。世界経済の大環境に変化が生じ、特に大口商品の価格低下の影響があり、双方の貿易額はこの2年間でやや減少した。しかし双方のエネルギー協力、ラテンアメリカのインフラ整備への中国の参与は、広く期待を集めている新しい分野だ。双方がさらに歩み寄ることが、大きな流れになっている。
ラテンアメリカというと、多くの人が「モンロー主義」を思い出す。モンローは1920年代の米大統領で、欧州諸国にラテンアメリカで勢力を築かないよう要請した。これはその時代を象徴する主張となった。ラテンアメリカは長期的に、米国の裏庭とみなされてきた。米国は伝統的に、外部勢力がラテンアメリカと接触することを警戒している。
しかしながら、経済のグローバル化という大きな流れを変えることはできない。ラテンアメリカから飛行機で20数時間離れている中国も、すぐそばまで近づいている。とはいえ双方の関係は極めて「クリーン」だ。モンロー主義が懸念した脅威は、中国とラテンアメリカの関係に存在しない。米国とラテンアメリカの関係も、必然的な新たな時代の烙印を押されるだろう。ラテンアメリカの世界への「開放」が不可避になる。
中国とラテンアメリカの経済協力により、ラテンアメリカ諸国の外交的な選択肢が増えるかもしれない。あるいは「中国の要素」の出現により、ラテンアメリカ諸国は外交の多元化を求めるチャンスを手にするかもしれない。グローバル化の時代は各地に、自己の利益を実現する多くのツールをもたらす。これは念入りに計画された地政学の駆け引きではなく、世界各地を洗礼する新時代の法則だ。
中国はラテンアメリカ諸国との友好協力の発展に力を入れているが、中国の外交チームは意図的にどこかの国と親しくなろうとしているようには見えない。中米の駆け引きにおいて、ラテンアメリカとの関係強化により、米国に西太平洋で譲歩を迫るよう強いるべきだと提案する人は、中国にほとんど存在しない。
中国・ラテンアメリカ関係のクリーンさを維持するのも良いだろう。米国も中国とラテンアメリカが協力を発展させることで、プレッシャーを感じることはないはずだ。中米が「ラテンアメリカを争奪」しているという過激な論評は注目を集めたが、これが中米間の真の問題に変化することはなかった。
中国・ラテンアメリカ関係はクリーンであり、見通しも明瞭だ。ラテンアメリカで何が起きようと、ラテンアメリカ諸国と米国の関係が良かろうと悪かろうと、中国・ラテンアメリカ関係が前向きに発展し続けることに影響しない。双方はこの関係から利益を得ており、プレッシャーを感じていない。
21世紀の国際関係は、中国・ラテンアメリカ間のこのような関係が提唱されるべきだ。双方を比較すると、米国と東アジアの一部の国との関係に、どれほど不健全な要素が含まれるかが見えてくる。米国とアジア太平洋の同盟国はまだ、互いの特殊な関係を誇りに思っているかもしれないが、グローバル化の時代における国際関係の是非曲直をゆっくりと堪能すればいい。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年11月18日