トランプ氏、「一つの中国」を駆け引きの駒に
トランプ氏、「一つの中国」を駆け引きの駒に。
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CNNは12日「トランプ氏：米国は一つの中国に縛られる必要はなし」と題する記事で、「次期米大統領に当選したトランプ氏は11日、再び中国対抗の姿勢を示し、台湾が中国の一部であるという長期的な立場を米国は維持すべきかと疑問を投げかけた」と伝えた。トランプ氏はFOXニュースのインタビューに応じた際に「私は一つの中国という政策を完全に理解しているが、貿易関係などで合意が得られなければ、なぜ一つの中国に縛られないといけないのか」と述べた。トランプ氏はさらに中国の為替、南中国海、朝鮮などの問題に関する政策を批判した。
この「取引論」は即座に国際メディアによって熱心に議論された。ブルームバーグは「トランプ氏の発言は重要だ。一つの中国という政策は貿易と関連付けられるべきだとトランプ氏が提案したのに対して、中国は一つの中国に異論の余地はないとしているからだ。中国の首脳は台湾を、核心的利益と定義付けている」と伝えた。BBCは「中国と外国の関係において、一つの中国という政策よりも重要な問題は考えつかないほどだ。米国が1979年に北京に大使館を設立する前、時のカーター大統領は台湾との政府間関係の断裂を宣言せざるを得なかった。この政策はこれまで、中米関係の基盤をなしてきた。トランプ氏が、一つの中国という政策は中国との駆け引きの駒にできるとほのめかしたが、中国が受け入れるとは想像しがたい」と報じた。
独フォークス誌は12日「これは相当に危険だ。米国とドイツを含むほぼすべての国が、台湾が中国の一部であることを認めている」とした。英ガーディアン紙は「トランプ氏のこの説は、学術界では不可思議な挑発とされている」と伝えた。
中国外交部の耿爽報道官は12日の記者会見で、トランプ氏の発言について「中国側は関連報道に留意しており、重大な懸念を表する。台湾問題が中国の主権・領土保全、中国側の核心的利益に関わることを強調しておきたい。我々は米次期政権と首脳が台湾問題の高度な敏感性を十分に認識し、一つの中国という政策と中米の3つの共同コミュニケの原則を貫き、台湾関連問題を慎重かつ適切に処理し、中米関係の大局に深刻な妨害と損害が生じることを回避するよう促す」と述べた。王毅外交部長は同日スイスで、トランプ氏と蔡英文氏が電話会談した件に関する質問に対して「蔡英文当局にせよ、世界のどのような人物や勢力であっても、一つの中国という原則の破壊、中国の核心的利益の損害を試みるならば、最終的に自業自得の結果に終わるしかない」と回答した。
12日付NYタイムズは「複数のアジア問題専門家は、トランプ氏が一つの中国という政策を交渉の駒にすれば、両国関係に影響を及ぼすほか、米国の台湾への支持にも波及することになると表明した」と伝えた。米国家安全保障会議（NSC）アジア事業元上級部長のメデイロス氏は「一つの中国を駒とすれば、トランプ氏は米中関係のすべての雰囲気を吸い取り、最終的に米国の利益のために台湾への支持を放棄するリスクをはらむ」と指摘した。同氏の前任者であるジェフリー・ベイダー氏は「中国が主権に関わると判断する問題を貿易とないまぜにすることで、中国側からの激しい反発を引き起こし、2大問題を同時に悪化させる可能性がある」と警告した。
「中国網日本語版（チャイナネット）」2016年12月13日
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