中国・米国・欧州、新たな「戦略的トライアングル」にはならず

中国・米国・欧州、新たな「戦略的トライアングル」にはならず。

タグ: 李克強,EU

発信時間: 2017-05-31 14:23:32 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

中国の李克強総理は31日よりドイツを訪問する。中国・ドイツ首相年度会合に出席し、ブリュッセルに赴き第19回中国EU首脳会談に出席し、ベルギーを公式訪問する。中国の総理が早くから計画していた欧州歴訪は、特に注目を集めている。

トランプ大統領とNATOサミット、G7サミットに出席したばかりのメルケル首相が28日、米国に不満を漏らしたことが最近の話題になっている。メルケル首相は「(米国と)完全に信頼し合える時代はもはや過去と化した」「我々欧州人は、自身の運命を握る必要がある」と述べた。

トランプ大統領はユンカー欧州委員会委員長らと会談した際に「ドイツは本当にひどい、ひどすぎる」と述べた。トランプ大統領は、ドイツが米国に毎年、数百万台の自動車を輸出していると批判した。

米独関係に問題が生じたことは明らかだ。トランプ大統領が貿易でドイツを批判し、メルケル首相が欧州人は「自身の運命を握る必要がある」と強調するのはこれが初めてのことではない。米独のいざこざは、中日のような関係における問題とは性質が異なっているが、両国間には深い溝がある。双方の利益の摩擦が激化し、感情も離れていっている。米独関係の冷え込みは、EUと米国の溝を深める可能性がある。トランプ大統領の個人的な要素が、このすべてに大きな影響を及ぼしている。しかし全体的に見ると、今日の米国と欧州の食い違いは、さらに現実化しつつある。

米国との関係の危機を実感し、ドイツと欧州は中国への重視を強めるはずだ。欧州人の方が中国との協力に意欲的な可能性がある。このような変化が生じることはほぼ間違いない。

しかし欧州・米国関係、欧州・中国関係の温度がどのように変化しようとも、中国・米国・欧州は新たな「戦略的トライアングル」を形成しがたい。欧州と米国は同盟関係であり、ドイツは在外米軍基地が2番目に多い国だ。米国は欧州の安全を掌握している。欧州が完全に米国の言いなりにならなくても、政治・軍事的に米国の戦略をけん制する役割を果たせない。その独立性には限りがあり、対米依存に慣れている。

中国・欧州の協力はまず、経済面で掘り下げることしかできない。当然ながら現在の国際競争において重要なのは経済であり、中国・欧州の経済が歩み寄りを続ければ、一定の戦略的影響を生じうる。

他にも自由貿易、経済グローバル化、気候変動といった中国・欧州の最も気が合う分野は、経済協力の範疇を超えている。これは現在の国際秩序の基礎的、実務的な要素だ。これらの分野の成果を引き継ぐか、それとも損ねるかによって、世界は大きく変わる。

しかしながら中国は平常心を保ち、中国・欧州関係を発展させるべきだ。中国も欧州も、相手側の米国に対する「カード」にはなり得ない。少なくとも現段階において、中国・欧州の協力拡大には高い正当性があるが、これは双方の米国との関係から独立しているため、過度に誇張されるべきではない。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年5月31日

TwitterFacebookを加えれば、チャイナネットと交流することができます。
中国網アプリをダンロード

日本人フルタイムスタッフ募集    中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで
 

コメント

コメント数:0最新コメント

コメントはまだありません。