中国初の海外軍事基地に関する衛星写真からは、この基地が想像されていたよりも規模が大きく、より安全であることがわかる。
地政学情報会社の「ストラトフォー・ワールドビュー」と商業情報会社の「オールソース・アナリシス」が提供した2枚の衛星画像によると、戦略的な要地であるジブチにある中国初の海外軍事基地は3層の安全施設と約2万3千平方メートルに及ぶ地下空間を備えている。
画像とともに発表された分析レポートは、「このような建築物は、すでに知られている中国の軍事基地強化方法に合致している。地下構造は、秘密の活動を行うことを可能とするだけでなく、ジブチでの中国の任務にとって極めて重要となる車両や施設に保護を提供するものともなる」と論じている。
米国とフランス、日本もジブチに恒久的な軍事基地を持っているが、保護のための構築物を強化したという兆しはない。中国の基地がどれほど大きいかはまだ明らかになっていない。米国の在ジブチ軍事基地は2007年に500ヘクタールに拡大されている。ストラトフォー・ワールドビュー社のシニアアナリストのシム・タック(Sim Tack)氏は、「(中国の基地は)ジブチ国内のいくつかの軍事基地の一つにすぎないが、中国が自らの方式をジブチに持ち込んでいることがわかる」と語る。
中国国防部は、ジブチの基地は海賊対策や人道支援の展開に手段を提供し、解放軍が同地域に平和と安全をもたらすのを助けるものだとしている。ストラトフォー・ワールドビュー社によると、同軍事基地に関する中国国防部のこの説明からは、埠頭の存在が予想される。だが衛星画像からは、中国側がまだ埠頭の建設は開始していないことがうかがえる。
アナリストによると、この基地は、本当の意味でグローバルな海軍力、「外洋海軍」を構築しようという中国の努力の一環となる。世界各地で任務を遂行できる海軍力となるが、中国の公的メディアは、中国が世界で軍事力を見せつけることはしないと論じている。アナリストによると、ジブチ基地の構成は、その目的が海軍に限ったものではないことを示している。基地内には舗装道路と、さまざまなタイプのヘリコプターを駐機できる格納庫がある。中国のこの基地はこれらによって、空中の攻撃能力を備えることとなる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年7月28日