歴史の印、「風と共に去りぬ」にさせないために

歴史の印、「風と共に去りぬ」にさせないために。

タグ:慰安婦

発信時間:2017-08-15 14:52:19 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

8月15日は特殊な日だ。72年前の今日、昭和天皇は日本の敗戦と降伏を宣言した。世界反ファシズム戦争・中国人民抗日戦争は最終的に、勝利を収めた。戦後長年に渡り、人々はさまざまな手段により苦しい戦争の経歴を振り返り、歴史の教訓を銘記してきた。慰安婦をテーマとするドキュメンタリー『二十二』が昨日全国公開され、再び社会から注目を集めた。

最も人目を引きつけるのは、この映画のタイトルだ。この数字は中国大陸部で撮影が開始された4年前、身分公開に応じた慰安婦生存者の数だ。現在まで、彼女たちのうち14人が遺恨を抱えたままこの世を去った。90歳と高齢の生存者の黄有良さんも、12日夜に海南省の実家でこの世を去った。これにより日本政府を相手取り訴えを起こした中国大陸部の慰安婦生存者の原告24人全員が死亡した。全国の生存中の慰安婦も、残り14人のみとなった。数字は真実かつ直観的だが、人々を不安にさせる。これらの戦争被害者・経験者・生き証人が一人また一人と私たちのもとから遠く離れ、残された戦争責任問題はどうするべきかという思考を促している。

社会には郭柯氏のような、責任感のある若い監督が必要だ。彼は商業目的の映画には手をつけず、撮影スタッフを率い4年の時間を費やし、この真実で感動的な作品を撮影し、中国の慰安婦生存者の生活の現状を記録した。これは評価・称賛されるべきことだ。

戦争は私たちから遠く離れ、一部の人はこの歴史を忘れている。多くの若者はオンラインゲームに熱中し、仮想空間の物語に陶酔し、歴史に興味を持たず知ろうともしない。多くの人は平和の尊さ、戦争の恐ろしさ、前の世代が受けた苦難を知らない。歴史は子々孫々と伝えていくことが必要で、多くの若者が共に祖国の昨日の歴史に関心を寄せなければならない。歴史を忘れた民族に、希望と未来はないからだ。

このほど映画『戦狼2』が絶賛公開中で、すでに41億1600万元の興行収入を叩き出している。現実をテーマとする愛国ストーリーの映画作品も必要だが、社会は同じく『二十二』のような信憑性があり、警鐘を鳴らす歴史をテーマとした作品も必要としている。これは国内の愛国主義教育の需要であり、日本に対して国際的な輿論戦を展開し、歴史の真相と人類の正義を守るための需要でもある。

筆者は昨年12月、東京・大阪・広島などの11都市を訪れ、日本社会の各界と広く交流した。また日本の右翼勢力からの妨害と対話に直面し、現代日本人の歴史観を深く懸念した。慰安婦が日本政府を相手取った4件の訴訟の敗訴、細菌戦の被害者、無差別大空襲の被害者の敗訴などは、日本の政界の歴史への態度を反映している。歴史の事実そのものではなく、侵略と加害の歴史観を認めるかが重要だ。

社会は慰安婦などの歴史のテーマを、より強く支持する必要がある。筆者は中国大陸初の慰安婦をテーマとした公共博物館、南京利済巷慰安所旧跡陳列館の設立を主管したことがある。設立すべきか否かという問題についても、反対意見と無理解があり、長年に渡り棚上げされた。幸いにも江蘇省と南京市の地方政府が観点を統一し、同館の2015年12月の開放に向け力を合わせることができた。同館は現在、国内外から毎日数百人の見学者を集めており、社会効果も反響も良好だ。

『二十二』のような歴史ドキュメンタリーは、社会からの理解を必要とし、かつ各方面からの力強い支持を必要としている。特に観客動員数を増やすため、措置を講じるべきだ。例えば愛国主義映画の鑑賞エリアを単独で設置し、映画鑑賞週間・月間を設立するなどだ。こうすることで映画館の公開作品の影響を受けず、人々は長時間に渡り鑑賞することができる。このような映画作品を、一陣の風にさせては決してならない。(筆者:朱成山中国抗日戦争史学会副会長、侵華日軍南京大屠殺遭難同胞紀念館元館長)

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年8月15日

TwitterFacebookを加えれば、チャイナネットと交流することができます。
中国網アプリをダウンロード

日本人フルタイムスタッフ募集    中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで